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カテゴリ:読書日記
小川洋子「博士の愛した数式」を読む。
言葉をひとつひとつ、愛おしむように選んでいるのが伝わってくる物語。 小川洋子の小説は「妊娠カレンダー」と「ホテル・アイリス」しか(たぶん)読んだことがないけれど、 彼女にとって小説を書くということは、博士が数学の証明を完成させるのと同じように、 たとえるならひとつの理想型を求めてらせん階段をのぼっていく、静かで気高い道程なのだろう。 そしてその道のりの中で「博士の愛した数式」は、完成型に到達する一歩手前の、美しさと危うさを兼ね備えた最高傑作のひとつと呼ばれるようになるだろう、という気がする。 すてきな小説に理屈はいらない。 博士の限りないやさしさと物語の美しさに、ぜひ触れてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.07 23:00:42
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