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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2006.09.28
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カテゴリ:読書日記

ひとかげ

14年前、ばななさんが漢字の「吉本」だったころに書かれた短編「とかげ」をリライトした作品。
小説「とかげ」がやさしく、濃く、人間らしくなった感じ。
「とかげ」の硬質な暗さはそれとしてとても魅力的だったけれど、「ひとかげ」は暗さの中に生まれるあたたかい灯を大切に描いている。
「とかげ」では行間に漂っていたことばたちが、「ひとかげ」ではしっかりと書き込まれ、実体のある言葉に。
そして、主人公とかげは、悩みも迷いも増え、けれど仕事や人生にまっすぐ、真摯に向き合うようになっている。
語り手の「私」ととかげが切実に愛し合うようになるわけも、「とかげ」よりすっと納得がいく。
「私」の勤め先で働く川村さんの描写のところで、「ばななさんは世界と誠実に向き合い、人生の酸いも甘いも受け入れ、いろいろな立場から人をみるようになったのだなあ」ということがわかり、ぐっときた。
作家として成熟するということは、人間として寛容になることなのかもしれない。
原マスミ画伯の絵が、何とも言えずよい。
物語全体を照らすたいまつのようだ。





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Last updated  2006.10.02 11:34:47
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