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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2006.10.22
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カテゴリ:読書日記
ポール・ボウルズ「シェルタリング・スカイ」を読む。
舞台はアフリカ。
アメリカの裕福な夫婦、ポートとキットが、日常に行き詰まりを感じ、旅に出るところから物語が始まる。
印象的なのは砂。そして灼熱の太陽。
砂のざらざらした感触や、日差しが皮膚を焼く痛みまで生々しく感じられる、綿密、というよりほとんど執拗な描写。
物語が急展開をみせる中盤以降、ページから目が離せなくなり、ほとんど一心不乱で明け方まで、一気に読んでしまった。

作家は、主人公たちに救済の筆を用意しない。
小説の初めに、大前提としてあったはずの枠組みさえ軽々と踏み越えて、物語は容赦なく展開する。
誰もが人生のどこかで感じたことのある、ごく近しい感情の積み重ねが、いつの間にか運命を遙か彼方へ運び去ってゆく。緩慢な不条理。
我々が一生をかけて見渡せる世界のなんと狭く、脆弱なことか。
これはわたしたちにも起こり得ること、ひとつづきの「空」の下にある別の秩序だ。
ボウルズというひとの小説には、麻薬的な魅力がある。

読み終えるまで知らなかったのだけど、4年前、ベルナルト・ベルトリッチ監督が「シェルタリング・スカイ」を映画化したんだそう。
それはさぞかし美しい映画だろう。ぜひ観なければ。





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Last updated  2006.10.25 11:27:28
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