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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2006.11.29
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カテゴリ:読書日記
「最近、何かおすすめの本はある?」と文化的上司さまに聞かれた。
これはわたしにとって(ごく個人的な意味で)、ソムリエが「今夜、おすすめのワインはある?」と質問されたのと同じことをあらわす。
頭のなかの本棚に「最近のおすすめ」というスペースがあって、そこには常に、おおよそ100冊くらいのタイトルがストックされているので、相手の年齢や性別、好み、今日の気分、湿度に天気、時間帯によって素早く検索をかけ、いちばん望ましいと思われる1冊をていねいに差し出す。
しかも今日の相手は、わたしなど足元にも及ばない、本とブンガクのプロ。
ありきたりの本では眉ひとつ動かしてもらえないはず。さて、どうするか。

…と、いう局面で選んだのが、これ。



石田千「踏切趣味」。

まず題名が、文化的上司さまの歓心をさそった。
「踏切って、あの鉄道の?へええ」
石田さんは俳人で、「踏切趣味」は、踏切のある下町の風景を集めた随筆集。
俳人らしく、文章は決して長くないけれど、ひとつひとつの言葉がていねいに選んであって、とても心地いい。
出版は筑摩で、装幀もすてきで…などということを、拙い舌で一生けんめい力説する。

興味をもってもらえたらうれしいな、と思いつつ、家に帰って自分でも「踏切趣味」を開いてみる。
やっぱりいいなあ。本当にいい。
最近出た「屋上がえり」も買おう。
と心に決めて次の日、会社へ行ったら、上司さまの手に「踏切趣味」が!

聞けば会社の帰りみち、さっそく買って読んだそう。
石田さんが嵐山光三郎氏の助手で、文体もどことなく似ていること、装幀が菊地信義氏という有名な装幀家の手によるものであること、など、わたしがちゃんと見ていなかった奥付の情報まで、すばやく目をつけていらっしゃる。さすが。
「わざと言葉数を少なく、ぽつ、ぽつと置いていくような文章がいい味」と喜んでいただきました。
文中に登場する石田さんのお仲間の俳人や文人のことも、さすが文化的上司さま、よく知っておられて、話が弾む。
ふふ。うれしい。楽しい。
ソムリエ冥利につきる。

腕を磨くため、今夜もせっせとページをめくるのであります。
修行、修行!…にしてはちょっと、楽しすぎるか。





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Last updated  2006.11.30 22:14:47
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