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カテゴリ:読書日記
川上弘美「真鶴」読了。 ああ、ひさびさの弘美節。 一時期、川上さんが江國さんになっちゃうのかと思って心配したけれど、ちゃんと戻ってきてくれた。 この生々しさ、あやうさ、この世ならぬものの存在感。 何とも艶っぽいのだ。 わたしと娘。 わたしと「ついてくるもの」。 わたしと失踪した夫。 夫と知らない女。 わたしとこいびと。 境目がどんどん曖昧になり、自分が他者へ、他者が自分へ、ぐにゃりぐにゃりと食い込んでいく。 女がおんなであるということは、境目をあいまいにする営みでもある。 わたしもそこへ行きたい。 行きたい、行きたい。 京のいるところ。礼のいるところ。真鶴へ。 境目をあやふやにして、世界とひとつになってしまいたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.06 16:30:10
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