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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2007.02.15
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カテゴリ:こころもよう
行きの飛行機は、思ったほど揺れなかった。
吹雪で予定の空港に着陸できない場合、道内の別の空港に降りることがあります、という条件付きチケットだったので少し心配したのだけれど、ぶじ、予定通りの空港に降りた。
雪は音もなく、しんしんと降り積もっている。

空港のラーメン屋には、女の人しか働いていない。
そのせいかどうか、店はいつも清潔で、味も安定している。
何も入っていない塩ラーメンを頼み、ゆっくり食べる。

正午すぎの飛行機で発ったのに、祖母が晩年を暮らした叔母の家に着いたら、もう辺りが真っ暗だった。
車を降りて、「忌中」の紙が貼られた玄関の前に立ったとき、足元の雪が、ふわっと匂い立った。
ああ、そうだった。
積もった雪には、微かだけれどにおいがある。
そんなこと、たぶんもう20年以上忘れていたな、と思いながらたたきで靴についた雪を落とし、玄関を入る。

半年ぶりに見る祖母の体は、痩せて小さくなっていた。
痩せるとますます、わたしとそっくりの骨格をしている。
頬骨の具合や顎の角度などを、近くに寄ってじっと見る。
明後日には、もう見られなくなってしまうから、瞳の奥に焼き付けるつもりで、じっと見る。
祖母のすがたを焼き付けた目の奥から、涙がゆっくりにじんでくる。
目の前がぼやけて、何も見えなくなった。





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Last updated  2007.02.21 16:23:43
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