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カテゴリ:こころもよう
引きつづき、雪。
ミスタードーナツであたたかいコーヒーとカフェオレを買い、つるつる滑る雪道を注意ぶかく運んで、車があたたまるまで皆で飲む。 冷えた車の中に、白い湯気がゆらゆら。 湯灌。 脱脂綿で祖母の顔や体を拭く。 この体にもう祖母はいないとわかっているのに、なつかしいかたちに触れると、嗚咽が止まらなくなる。 通夜。 ひさしぶりに会ういとこたちと、その子供ら。 小さい人たちはどんどん数が増え、ぐんぐん育つので、一体どれが誰の何番目の子なのか、よくわからない。 遺族控室は、さながら保育園の様相。 こうやって、人類は命を絶やさずにリレーしてきたんだな。 捨てるのももったいないので、小さく切り分け、ひとつずつラップにくるんで持ってきたチョコレートケーキは、思いがけず家族の非常食になった。 お葬式のときは、何かと食べそこねたり、喉を通らなかったりするものだから。 斎場で祖母に付き添って夜明かしをする両親と別れ、妹とふたり、ホテルへ。 妹はいつの間にか、雪道も危なげなく運転できるようになった。 こんなことでもなければゆっくり話す時間もないので、しみじみと話をする。 亡くなった人はこうやって、なかなか会えない家族や身内を引き合わせてくれるのだな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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