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カテゴリ:読書日記
ペルシアの詩人、オマル・ハイヤームの四行詩集「ルバイヤート」を読む。ゆっくり読む。
とにかく酒を呑め、と説きつづけるすごい詩集。 いつかあのひとがそらんじてくれたのは、こんなフレーズだった。 * 苦心して学徳をつみかさねた人たちは 「世の燈明」と仰がれて光りかがやきながら、 闇の夜にぼそぼそお伽ばなしをしたばかりで、 夜も明けやらぬに早や燃えつきてしまった。 この道を歩んで行った人たちは、ねえ酒姫、 もうあの誇らしい地のふところに臥したよ。 酒をのんで、おれの言うことをききたまえ―― あの人たちの言ったことはただの風だよ。 * (「青空文庫」にも掲載されていて、著作権が消滅しているので引用しました) 「酒姫」はサーキイ、と読ませるのです。 美しい。小川亮作氏の翻訳は、名訳と言っていいと思う。 昭和24年に初版が刊行されたのに、まったく古びず新しい。 人の体が土に還っても、詩は残る。言葉が残る。 これまで無数の人びとが宝物にしてきたであろう言葉を、わたしも胸に抱く。 胸に抱いて、生きていく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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