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カテゴリ:読書日記
銀色夏生「月夜にひろった氷」を読む。 銀色さんの詩は、月の光を編んでつくったほそいほそい銀の糸で、言の葉をそっと結び合わせた一帖の刺繍。 とても繊細につくられているので、ページをめくる指先にも、ため息をつくのにも気をつかう。 詩集の最初に置かれた「ポケットの中で 星が揺れたので」は、子供のころ「みんなのうた」で聴いて、ずっと心に残っていた曲の歌詞だった。 銀色さんの詩だったのか! うれしい驚き。 懐かしく新鮮な気持ちで、何度も読み返す。 「こおろぎの散歩道」「甘い形のお菓子」「閑静な思いつき」「あこがれ」がとてもよかった。 エッセイ「人生の山」の一節を読み、がーんと頭を殴られたようなショックを受ける。 それはこんな書き出しではじまる。 * 好きな人に対しては、憧れと尊敬のまなざしでいること。 そのままずっとそれを保つこと。 憧れと尊敬の気持ちを保てなくなったら、それは自分の限界。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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