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カテゴリ:花嫁日記
朝の新幹線で帰るわたしの家族を、くまと一緒に見送る。
駅にはくまの両親も来て、母や妹に抱えきれないほどたくさんのお土産をくれた。 みんなと別れ、くまとふたりで車に乗り込んだら、何だかわからないけど涙が出て、めそめそ泣く。 みんながこうやってわたしたちの幸せを願ってくれる。 ありがたいねえ、うれしいねえ。 ぜったい幸せになろうねえ。 そうだな、とくま。 泣きながら鼻をかむ。 ああ、そうだ、思い出した。 わたしが結婚を決めたのは、自分から逃げたわけでも、何かに流されたわけでもない。 このひとと一緒にいるときの、ひろびろ、のびのびした明るい夏休みみたいな自分が、わたしはどの場所にいる自分よりもいちばん好きなんだ。 だからわたしは、自分の意志で未来を選んだんじゃないか。 2年前、半年前、それから今朝も。 これからも、何度でも繰り返し選ぼう。 そうやって、ずっと、この先も。 ―ねえ、わたしに、あなたが通っていた高校をみせて。 いいよ、と夏休みのくまが笑って、アクセルを踏み込んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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