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カテゴリ:読書日記
江國香織「日のあたる白い壁」読む。 オキーフの桃。 マティスの青。 ゴッホのカフェテラス。 カサットの女。 色と光が印象的な絵ばかりで、うっとりと眺める。 眺めては江國さんの豊饒な文章を味わう。至福。 いわゆる評論ではなくて、好きな絵画をめぐる私的エッセイになっているところが愉しい。 絵について書くことは、もちろん自分について書くこと、と江國さん自身も書いているけれど、ほんとうにそう。 美術館に出かけて、何も持たず全身の感覚を澄ませて1枚の絵の前に立つことは、わたしと対峙すること、自分の深淵をのぞき込むことだもの。 思い立って絵はがき帳を開き、ゴッホのカフェテラスの絵を取り出して、手帳に入れてみる。 石畳の道でステップを踏む、ほろ酔いのフランス娘みたいなあの気持ちをいつでも思い出せるように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.07 11:42:58
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