本読みのひとりごと

引っ越し。
早めに起きて洗濯機を回す。
いい天気だなあ。それにすごい暑さ！
炊き上がったごはんをよそって、くまと一緒にもりもり食べる。

くまの両親が到着して、引っ越し作業開始。
首にタオル。両手に軍手。
古い部屋（２階）から出した荷物を、台車に載せて隣の棟へ運び、新しい部屋（４階）まで持ち上げる。
運んでは荷物をほどき、できるものからどんどん収納していく。
新しい台所は、新品じゃないけれど、きれいで広くて収納がたっぷり。
勝手口の外には小さなベランダもあって、ドアを開けると気持ちいい風が山から吹いてくる。
ここがわたしの新しいお城。
おいしい料理、毎日山ほど作るんだ。

頭からシャワーを浴びたみたいに汗をかきながら、麦茶をがぶがぶ飲んで働く。
荷物を運びながらときどき、すこーんと青い空を見上げる。
白い入道雲。じりじり照りつける日差し。したたる汗。
うわあ、なんかすごく気持ちいいかも。これはひょっとして引っ越しハイ？

お昼には仕事も一段落して、みんなでガストへ。
くま父さんとわたし、生ビールを中ジョッキでがぶ飲み。
さらにステーキどんぶりを平らげ、返す刀でチョコバナナパフェもぺろんと食べる。
「結婚式まで太らないように気をつけろよう。その後は知らないぞ。がはは」とくま父さん。がははは！

午後、残った作業を片づけてから温泉へ。
ひとり３５０円で行ける天国。
硫黄の強いお湯で、お肌がすべすべになる。
くま母さんとサウナに入るつもりだったのだけれど、汗だくで頭ふーらふら、軽く熱中症気味なので、先に上がってポカリスエットを飲む。

汗がひくのを待って、くまおすすめのお寿司屋さんへ。
エビ、イカ、タコ。いくらにトロ、穴子。
どんどん注文して、むしゃむしゃ食べる。
大食らい、大酒飲みの新妻…

くま一族はみんなべろべろに酔っぱらって、新居の床に次々倒れてしまったのに、わたしだけほぼしらふ。
大量の洗濯物をがらがら洗って、広いベランダと、居間にわたした洗濯ひもにずらっと干す。あちこちに倒れている人たちを起こさないように、そうっと。
灯りを消して、窓を開けてうちわを準備して、蚊取り線香もちゃんとセットして、わたしもタオルケットをかぶる。

人みしり番長のわたし、いつの間にかくま父さんと母さんにも慣れたなあ。
めちゃくちゃな一日だったけど、家族が増えるって何だかちょっと、すごく楽しいかも。
風邪をひかないように、くまのおなかにもタオルケットをかける。
かけて、わたしも目をつむる。