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カテゴリ:読書日記
高校以来の友人Iと新宿でランチ。
ひさしぶりに会う彼女は、少し痩せたみたいだった。 知り合って10年。 人間としての、もっと言うなら女としてのわたしたちは、あのころと何も変わらない。 変わったとすれば、あきらめること、受け入れることに慣れて、少し生きやすくなったことくらいか。 夕方、週明けからインターンシップに来る学生たちの入寮に立ち会う。 会社の寮は、高層マンションに囲まれるようにして、古い店や民家が立ち並ぶふしぎな町のはずれにある。 路地裏を覗き込んだら、橙色の夕日に目を射られてはっとする。秋。 夜。じゃがいもを茹でながらカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」を読む。 ぐーっと引き込まれて、ひと息に。 静かで緻密な青春小説。身体や記憶の欠損についての扱いが、小川洋子の筆に似ている。 結末がとても悲しくて、余韻から抜け出すのにしばらく時間がかかった。 茹でたじゃがいもとソーセージを黒胡椒でバター焼きにして、ビールを飲む。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.15 16:00:14
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