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カテゴリ:こころもよう
カウンセリング。最後の日。
1ヶ月前のカウンセリングのときにおすすめしたいしいしんじ「トリツカレ男」、Fさんはきちんと読んで、そして特別なことを感じてくれたみたいだった。嬉しい。 bisさん、軽やかになったね。荷物を降ろして、何だか光っているみたい。とFさん。 初めてFさんと話したのは、ちょうど2年前の今ごろ、秋の初めだった。 あのころ、東京に戻ってきたばかりのわたしは、深い痛手を負って、不安で、自信がなくて、体力もすごく落ちていた。 もう二度と社会に出て働くことなんてできないような気がするんです、と本気で訴えたのがたった2年前だなんて、とても信じられない。 700日とちょっとで、人はこんなに元気になれるんだなあ。 * あの数年間に、わたしは人格の土台を根底からたたき壊されたような気がしていた。社会や、会社や、あの人やこの人に。 けれどそうじゃなかった。 破壊されたんじゃない。わたしが自分で壊したのだ。 これから始まる長い冒険の人生を生き抜くに耐えうる、堅固な土台をもう一度自分で組み直すために。 そして、その土台の上に、誰に褒められるためでも評価されるためでもない、わたし自身がひとつずつ納得して選んだお気に入りの素材を使って、理想の家を建てるために。 どうせ一から建てるなら、好きなように暮らせる家がいいと思った。 朝起きて夜眠り、ごはんはできるだけ家で作り、部屋を居心地よく整え、休日にはおいしいお茶をいれて部屋をいい香りにして、ゆっくり本を読む。 家族や友達や恋人や、大切な人たちとあたりまえの、穏やかな、何でもない時間を共有する。そういう毎日。 仕事もそう。 一度は辞めようと思った会社だもの。 最初からエリートでも何でもないけれど、人から褒められるようなコースからはどのみち外れたのだから、新しい部署では誰の目も気にせず、ひとつひとつの仕事を、自分に恥じないようにていねいにやればいいと決めた。 そうしてもくもくと、ときどき周りの景色なんかも楽しみながら一歩ずつゆっくり歩いてきて、理想の家も完成に近づき、ふと辺りを見回したら、いつの間にか味方になってくれる人が周りにたくさんいた。 「がんばれよ」と応援してくれたり、あたたかいまなざしで見守ってくれたり、「助けられたよ、ありがとう」と認めてくれたりするやさしい人たち。 全身にぎゅっと力をいれてばたばた走り回っていたときにはどんなにがんばっても手に入らなかった宝物が、ある日ふと力を抜いて握りしめたこぶしを開いてみたら、手のひらの上にちゃんと乗っかっていた、みたいな感じ。 人生のしくみって、本当によくできているなあ。 * これからは、わたしのこの理想の家を夫の家とつなげて、もし子供が生まれたら建て増しもして、ますます広く楽しく生きていこう。 それぞれの場所は尊重しながら、お互いが見つけた素敵なものを持ち寄って、化学変化を楽しめるような家族をつくりたいな。 卒業と、新しい出発。 今は秋だけれど、きぶんは春、さくらの季節だ。 さあ、ますます忙しくなるぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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