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カテゴリ:花嫁日記
午前中、父に付き合ってもらって東京の部屋の荷出し。
お昼前に終わったので、ひさしぶりに父とデートする。 行きつけのコーヒー屋さんでサンドイッチを食べ、お寺の参道を歩く。 サンドイッチなんか食べるのは数年ぶりだなあ、と父。 後で母に聞いたら、「本当においしかった」としみじみ言っていたみたい。よかった。 昼下がり、ほとんど空っぽになった部屋でひとり、ガスの閉栓と、不用品引き取り業者の訪問を待つ。 ひさしぶりに何にもすることのない、ゆったりと心静かなひととき。 この部屋に差し込む午後の光、大好きだったなあ。 木の葉の影が、何もない床の上で踊っている。 最後まで幸せな時間をありがとう、と部屋にお礼を言って、そっと鍵を閉める。 不動産屋さんに鍵を返し、駅までの道を歩きながら突然、スキップしたいような愉しい気持ちになる。 なんだろう、これは。 少し考えて、自分がかつてないほど身軽だということに気づく。 荷物もなく、仕事もなく、家もなく、今すぐすべきこともなく、悩みらしい悩みもなく、ただわたしであるところのわたしが、高く晴れわたった秋空の下にいるだけ。 心が穏やかで、深く息ができる。 このタイミングで手放してよかったのだと知る。 これからもできるだけ荷物を増やさず、こまめに棚卸しをしながら生きてゆこう。 天気がいいし、時間も早いのでなんとなく電車に乗り、お台場に行ってみた。 台場公園までゆっくり歩き、東京湾を行き交う船を眺める。 海からの風に、髪がひらひら揺れる。 時間は戻らない。奇跡は起こらない。 それ自体がひとつの奇跡なのだと、最近は思うようになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.17 23:42:50
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