|
テーマ:暮らしを楽しむ(388337)
カテゴリ:花嫁日記
朝、洗濯物を干すとき、近所の家々から一斉に赤い帽子をかぶった子供たちが出てきた。
小さな行列がいくつも集まって、大きなかたまりになって、学校に向かって動いてゆくのをベランダから愉しく眺める。 いま、コーヒーを飲んで詩集(谷川俊太郎さんの「これが私の優しさです」)をめくりながらのんびりしていたら、窓の外から突然、汽笛の音。 こんな山の中で汽笛?と驚き、ごみ出しのついでに外へ出てみたら、社宅の玄関先に、汽車の形をした小さなバスが止まっている。 とことこ乗り込んでゆくのは、黄色い帽子をかぶって水色のスモッグを着た小さなお客さん。 あ、そうか。これは幼稚園バスですね。今どきの幼稚園って、こんなお洒落なバスを走らせているのね。 新しい暮らしは、見聞きするものがみんな新鮮で、わくわくする。 やがてすべてが日常に変わってゆくのだろうな。それも楽しみ。 * きのうは、初めてひとりで市役所とスーパーに行きました。 車の運転、駐車場に停めるのがひとりではまだ心もとないので、自転車で片道15分かけて行く。 日ざしが明るくて、緑のにおいの風が涼しい。いい気持ち。 大きな空の下に果樹園が広がり、りんごが色づきはじめている。 風に揺れる色とりどりのコスモス。やさしい木陰をつくる並木道。 自転車で走っていると、金木犀のそばを通るたびにいいにおいがするので、何だか得したきぶん。 いずれ自動車の運転に慣れても、春や秋にはときどき自転車で小さな旅をしよう。 せっかく季節のいろどりが濃い土地に住むことになったのだもの。 毎日空を見て、風を胸に吸い込んで、旬の野菜を食べて暮らそう。 * それにしても、こちらへ来て時間の流れ方が変わったなあ。 ゆっくりになったのはもちろんだけれど、それだけじゃない。 東京では、時間はひたむきに、着実に前へ進むものだった。 でも、ここでは前だけじゃなく、いろんな方向に時が流れる。 右へ行ったり左へ行ったり、時には後ろへ戻ったりもする。 まっすぐ前を向いて走る時期も、道草をしながら通り過ぎてきた道を振り返る時期も、ひとしくかけがえのない人生の時間。 このひとときも、長いようで案外短いのだろう。 土を踏みしめて、大切に過ごそう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[花嫁日記] カテゴリの最新記事
|