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テーマ:本のある暮らし(3316)
カテゴリ:花嫁日記
朝晩の空気が、日ごとに冷たくなります。
急に寒くなったので、くまもわたしも風邪ぎみ。 で、昨晩は大根を炊きました。 米のとぎ汁に酒と昆布を入れて、弱火でことこと。 煮ている間に、谷川俊太郎さんの「夜のミッキー・マウス」を読む。 静かな主婦の読書生活に、詩集はぴったりの読みもの。 「永瀬清子さんのちゃぶだい」という詩がとても気に入った。 一日の農作業を終え、夕食も済んだ後のちゃぶ台に、ひとり原稿用紙と万年筆を置いて詩作をする永瀬さん。 気に入ったことばは声に出して読んでごらん、と詩の先生に教わったので、ちょっと恥ずかしいけどどうせ一人だし…と思い切って、音読の宿題をこなす小学生に戻ったつもりで読んでみる。 今日のささやかな喜びが 明日への比喩となる 永瀬さんのちゃぶだい 読んでみたらとてもすがすがしい気持ちになって、「あのひとが来て」という詩も続けて読んでみる。 あのひとのかたわらで いつまでも終わらない音楽を聞いた ああ、いいなあ。うっとりするなあ。 妻のひそやかな愉しみ。 * こちらへ来て1週間。 変わったのは、早寝早起きをするようになったこと。 主な仕事場が、会社のデスクから台所になったこと。 冷蔵庫の野菜を、捨てずに使いきれるようになったこと。 暇を持て余して途方に暮れるかなあと思っていたのだけれど、なかなかどうして。 不慣れなせいもあるが、主婦業は思いのほか忙しく、あっという間に一日が過ぎる。 それでも以前よりはいくらか単調な毎日に冒険のスパイスを、と思いたち、午後、突然ひとりで車を運転してみた。 初めはほんのちょっと、駐車の練習だけするつもりだったのが、エンジンをかけたら勢いがついて、スーパーまでの道をひとりでゆく。 すべり出しは上々だったのだけど、交通量の多い道に差しかかったら焦ってしまい、道をまちがえて、通ったことのない太い国道に出る。あわわ。パニック。 落ち着いて、落ち着いて、と自分に言い聞かせながらいったんコンビニの駐車場に入り、心もとない運転で何とか元の道に戻るも、心臓がばくばくして、手のひらが汗ばんでる。 事故に遭わなくて本当によかった。 スパイスにしては、ちょっと刺激が強かったなあ。 もう少し慣れるまで、冒険はつつしもう。 車を止めてエンジンを切った瞬間、全身の力が抜けてシートに沈みこむ。 自動車はきっと、慣れればとても便利な道具なのだろうけど、わたしはもっと単純な、手のひらに収まるような小さい道具を扱うのが好き。 ミルクをあたためたり、りんごの皮を剥いたり、紙を切ったり。 そのほうが、自分の体につながっている感じで安心だもの。 …とは言えこの週末は、くまの実家まで3時間、高速道路や峠もある道を、わたしができる限り運転することになっています。 本屋さんや、CD屋さんや、すてきなカフェや、アロマのお店にもやがてはひとりで行けるように、がんばるのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.24 20:51:39
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