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カテゴリ:読書日記
佐藤多佳子「しゃべれどもしゃべれども」を読む。 寂しい夜のため、大切にとっておいた一冊。 夜の9時くらいから読みはじめ、12時すぎまでかけてひと息に読んだ。 最後は湯冷めしないように布団にもぐって、ひとりでにやにやしながら夢中で。 佐藤さんは稀代のストーリーテラー。「一瞬の風になれ」がベストセラーになったけれど、「黄色い目の魚」も「サマータイム」もみんなすばらしい。 「しゃべれども…」は落語家が主人公で、少し前に映画にもなった。 主人公のニックネームは「坊っちゃん」なのだけれど、まさに夏目漱石の坊っちゃんをほうふつとさせる語り口。 現代の落語家に、明治の大文豪が生んだ伝説の無鉄砲青年の言葉をしゃべらせるところが粋だなあ。 ヒロインの黒猫女史は、どことなく「贋作 罪と罰」の三条英みたいな香りを纏っていて、演劇好きにはたまらない。 ひさびさに読書の快楽をたっぷり味わった。幸せなきぶん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.24 17:20:12
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