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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2008.01.01
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カテゴリ:雪のある暮らし
明けましておめでとうございます。
北国は、大晦日からしんしんと雪が降り積もっております。

今夜はくまが当直勤務なので、ひとり静かなお正月。
結婚式が終わってから1週間、冬眠するふたごのクマのように、家のあちらこちら(こたつや、ソファや、押入れの奥に掘ったほら穴の中など)でひたすら眠って過ごしたので、家の中の仕事もだいぶたまっている。

パジャマなどをいっせいに洗濯し、家中の窓を開け放して念入りに掃除機をかける。
お風呂は残り湯を洗濯機に移して、床の汚れもごしごし落とす。
新婚旅行から帰ったら、まとめてきちんと掃除をしなくちゃ。

うちの駐車場と、車の上にどんどん積もってゆく雪がどうにも気になるので、その雪かきもする。
踏み固めてしまうと雪はずっしり重くなるので、できるだけ踏まないように、白いきれいなところを雪かきスコップでふわっとすくいとる。
すくっては、芝生へ放り上げる。
ダウンコートと毛糸の帽子の下、たちまち汗だく。
水を吸ってしまった下のほうの雪は、黒く汚れて重い。
腹に力を入れてすくい上げる。
慣れないから、いらない力をたくさん使う。

雪かきの後、首までこたつにもぐって寝ていたら、インターホンが鳴って、「雪見当番」というものが回ってきた。

日がな一日、熱いロシアンティーなど飲みながら、窓の外の雪をじっと眺める。
ときどき窓を開けて手のひらに雪のかけらを受け取り、結晶を注意ぶかく観察する。
今日の雪は、こんぺいとうのかたち。
2Bの鉛筆を削り、ていねいにスケッチする。
「雪見日誌」をつけ終わったら、明日のお当番さんにノートを回す。

…などというお当番なら素敵なのだけれど、雪国の現実はそんなに甘くないのでした。
明日の朝と夕方、アパートの玄関とごみステーションの周りの雪かきをしなければならないみたい。
くまの帰宅は明日の午前中だから、どうやらこれはわたしの仕事。
雪は降り止む気配もないので、明日は朝から重労働になりそうだな。
メールでくまに知らせたら、「雪かきでダイエットだね!」などと呑気なことを言っておられる。

慣れない仕事だから下見をしておこうと思って、日が暮れてから、家の周りをぐるぐる歩いた。
少ない光を雪が照り返すので、外は奇妙にあかるい。
雪が音を吸い込むから、風の音もしない。
遠くから、かすかに踏切の音が聞こえる。
白いかたまりが、際限なくもくもくと空から落ちてくる。
雪のつくる静寂は、雪にしかつくれない静けさなのだな。

 *

去年はずいぶんいろんなことがあった。
年の初めに結婚を決めて、それから、会社を辞めることについてずいぶん長い間、頭の中で考えを動かしていた。
結納や結婚式のことで悩んだ時期もあったっけ。
合間にライブ通いをして、いくつかの展覧会をみて、詩を読む愉しみも知った。
仕事の楽しさをひとつずつ獲得して、お酒もずいぶん飲んだなあ。
北国と東京を行ったり来たりして、ああ、そうだ。屋久島にも出かけたっけ。
退職してこちらへ来る直前には、ずいぶん感傷的になって、幸せになることがこわくなったりもした。
就職してから4年半ぶんの総まとめみたいな、濃密な時間だったな。

こちらへ来て、もうすぐ3ヶ月。
最初のころは、夕餉の支度に2時間も3時間もかけていたけれど、だいぶ手早く食卓を整えられるようになった(別の地方では、それを「手抜き」と呼びます)。
懸案だった車の運転も多少は上達し、自分の足で走ることもはじめた。
そして、一大事業だった結婚式もぶじに終わった。
最後の最後まで、ぎゅーっと内容の濃い年であったことだ。

自分で決めて、自分の責任で選ぶ。
ということが、去年のテーマだったような気がする。
最初は人の目がこわくてたまらなかったけど、慣れてしまえば、そんなに難しいことじゃないのだ、たぶん。

今年はどんな年になるだろう。
どこへ運ばれてゆくだろう。
その中でわたしは何を選び、育て、どんな果実を収穫するんだろう。

書くこと、読むことはおこたらず。
変化をおそれず。けれど地に足をつけて。
ていねいに、心穏やかに暮らしを楽しみ。
自分を慈しみ、家族を育てる時だな、2008年は。
それは一見、単調に感じられるかもしれないけれど、長い目で見れば、新芽が光に向かって若葉を広げる成長のとき。
これから大きな木になるための土台をつくるときだ。

…というわけで、今年ものんびりと書いてゆくつもりです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。





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Last updated  2008.01.01 21:10:08
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