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テーマ:暮らしを楽しむ(388259)
カテゴリ:雪のある暮らし
明けましておめでとうございます。
北国は、大晦日からしんしんと雪が降り積もっております。 今夜はくまが当直勤務なので、ひとり静かなお正月。 結婚式が終わってから1週間、冬眠するふたごのクマのように、家のあちらこちら(こたつや、ソファや、押入れの奥に掘ったほら穴の中など)でひたすら眠って過ごしたので、家の中の仕事もだいぶたまっている。 パジャマなどをいっせいに洗濯し、家中の窓を開け放して念入りに掃除機をかける。 お風呂は残り湯を洗濯機に移して、床の汚れもごしごし落とす。 新婚旅行から帰ったら、まとめてきちんと掃除をしなくちゃ。 うちの駐車場と、車の上にどんどん積もってゆく雪がどうにも気になるので、その雪かきもする。 踏み固めてしまうと雪はずっしり重くなるので、できるだけ踏まないように、白いきれいなところを雪かきスコップでふわっとすくいとる。 すくっては、芝生へ放り上げる。 ダウンコートと毛糸の帽子の下、たちまち汗だく。 水を吸ってしまった下のほうの雪は、黒く汚れて重い。 腹に力を入れてすくい上げる。 慣れないから、いらない力をたくさん使う。 雪かきの後、首までこたつにもぐって寝ていたら、インターホンが鳴って、「雪見当番」というものが回ってきた。 日がな一日、熱いロシアンティーなど飲みながら、窓の外の雪をじっと眺める。 ときどき窓を開けて手のひらに雪のかけらを受け取り、結晶を注意ぶかく観察する。 今日の雪は、こんぺいとうのかたち。 2Bの鉛筆を削り、ていねいにスケッチする。 「雪見日誌」をつけ終わったら、明日のお当番さんにノートを回す。 …などというお当番なら素敵なのだけれど、雪国の現実はそんなに甘くないのでした。 明日の朝と夕方、アパートの玄関とごみステーションの周りの雪かきをしなければならないみたい。 くまの帰宅は明日の午前中だから、どうやらこれはわたしの仕事。 雪は降り止む気配もないので、明日は朝から重労働になりそうだな。 メールでくまに知らせたら、「雪かきでダイエットだね!」などと呑気なことを言っておられる。 慣れない仕事だから下見をしておこうと思って、日が暮れてから、家の周りをぐるぐる歩いた。 少ない光を雪が照り返すので、外は奇妙にあかるい。 雪が音を吸い込むから、風の音もしない。 遠くから、かすかに踏切の音が聞こえる。 白いかたまりが、際限なくもくもくと空から落ちてくる。 雪のつくる静寂は、雪にしかつくれない静けさなのだな。 * 去年はずいぶんいろんなことがあった。 年の初めに結婚を決めて、それから、会社を辞めることについてずいぶん長い間、頭の中で考えを動かしていた。 結納や結婚式のことで悩んだ時期もあったっけ。 合間にライブ通いをして、いくつかの展覧会をみて、詩を読む愉しみも知った。 仕事の楽しさをひとつずつ獲得して、お酒もずいぶん飲んだなあ。 北国と東京を行ったり来たりして、ああ、そうだ。屋久島にも出かけたっけ。 退職してこちらへ来る直前には、ずいぶん感傷的になって、幸せになることがこわくなったりもした。 就職してから4年半ぶんの総まとめみたいな、濃密な時間だったな。 こちらへ来て、もうすぐ3ヶ月。 最初のころは、夕餉の支度に2時間も3時間もかけていたけれど、だいぶ手早く食卓を整えられるようになった(別の地方では、それを「手抜き」と呼びます)。 懸案だった車の運転も多少は上達し、自分の足で走ることもはじめた。 そして、一大事業だった結婚式もぶじに終わった。 最後の最後まで、ぎゅーっと内容の濃い年であったことだ。 自分で決めて、自分の責任で選ぶ。 ということが、去年のテーマだったような気がする。 最初は人の目がこわくてたまらなかったけど、慣れてしまえば、そんなに難しいことじゃないのだ、たぶん。 今年はどんな年になるだろう。 どこへ運ばれてゆくだろう。 その中でわたしは何を選び、育て、どんな果実を収穫するんだろう。 書くこと、読むことはおこたらず。 変化をおそれず。けれど地に足をつけて。 ていねいに、心穏やかに暮らしを楽しみ。 自分を慈しみ、家族を育てる時だな、2008年は。 それは一見、単調に感じられるかもしれないけれど、長い目で見れば、新芽が光に向かって若葉を広げる成長のとき。 これから大きな木になるための土台をつくるときだ。 …というわけで、今年ものんびりと書いてゆくつもりです。 どうぞ、よろしくお願いいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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