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テーマ:■南の島の過ごし方■(815)
カテゴリ:旅日記
グリーン島。
グリーンアイランドリゾート37号室。午後4時。日本では午後の3時。外はひたすら、雨が降っている。 昨夜日本を発ち、7時間かけてケアンズに着いた。そこから船で45分。寝不足と高波でひどい船酔いになる。くまが一生けんめい介抱して、早めに部屋へ入れるよう手配してくれた。シャワーを浴びて昼寝をしたらずいぶんましな心持になった。 珊瑚礁でできたこの島は熱帯に位置している。色の濃い、大きな植物が生い茂り、絡みつくようにじっとりとむし暑い。 1月は、ちょうど乾季と雨季の境目にあたるので、こうやってときどき大雨が降る。 雨がやんだので、散歩がてら外へ出てみる。 客席はひとつずつ、コテージのようになっていて、外に面したバルコニーがある。プールが大小ふたつ、ビーチも目の前だ。 軽食コーナーへ行き、大きなホットドックとオレンジジュースをふたりで分けていたら、突然のスコール。屋根のあるところで食べていたので、食べながら、バケツをひっくり返したような雨をみる。いっそ気持ちいいほどの降り。水しぶきが上がる。傘をさしても意味がないので、道行く人もあきらめ顔で、ずぶ濡れのまま歩いている。 茶色い飛べない鳥(日本の雀か、鳩みたいな感じでたくさんいる。近づくと長い足で走って逃げる)は、慌てて軒下や椅子の下に駆け込み、雨宿りしている。 屋久島で教わった「絞め殺しの木」が、おどろおどろしい気根を地面に向かって伸ばしている。 若木ははっとするほど濃い緑の葉を空に向かって広げ、今にもにょきにょきと伸びてゆきそうな風情。 熱帯の植物は、生命のにおいをぷんぷんまき散らして、少しこわい。 オーストラリアという国は―というよりもたぶん、ケアンズという都市は、日本人観光客や留学生がとても多くて、どこへ行っても日本語の案内やメニューがあり、日本人がいる。 すれちがう人が日本語を話しているのはしょっちゅう。 ホテルのロビーには、「anan」まで置いてあった。妙な感じ。 この雨では海にもプールにも行けないので、部屋に引きあげてきてくまは本を読み、わたしは日記をつけている。くまは紅茶をすすり、わたしはカモミールティーを飲む。 だらりとしたぬるい空気の中、外にも出られず雨を見ながら部屋で本を読んだり書きものをする。というのは、案外悪くない。一度くらいは、青い空やら海を見たいけれど。 それにしてもこの島では、空が曇っていても海が青いのだった。 空の色を映しているだけじゃなく、珊瑚があるから青く見えるのかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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