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テーマ:■南の島の過ごし方■(815)
カテゴリ:旅日記
ケアンズ、港そばのカフェ。午後1時半。
グリーン島から船で到着し(帰りの船は全然揺れなかった。船内やホテルで配っていた酔い止めは、ショウガの根?の成分が入ったもので、医薬品ではないらしい。酔い止めの薬は、心理的効果が大きいのだな)、おびただしい量のにんにくが入ったガーリックピザと、アイスクリームを添えたパンケーキを食べたところ。くまはおでこにサングラスを乗せて、甘すぎるカフェラテを持て余している。 ホテルのチェックアウトから船の出発まで時間があったので、島のワニ園を見る。 生でワニを見るのは、たぶん生まれて初めて。 「たぶん」というのは、ひょっとしたら日本の動物園で見たことがあるのかもしれないけれど、ワニというものはたいがい泥水の中に潜ってじっとしているので、運がよくても体の一部分しか見ることができないので。 エントランスで、右手首の内側に、チケットがわりのワニスタンプ(緑)を押してもらった。けっこうかわいい。タトゥーシールにして渋谷あたりで売ったら流行るかも。 係の人の説明によると、ワニは食虫植物の動物版みたいな感じで、ほとんど動かずに水中で過ごし、獲物が近づいてくると敏感に振動を感じとって「がぶり」とやるらしい。 足が遅いから、走って追いかけても間に合わないんだそう。 あんなに大きな体をして、全身にあれほど立派なうろこがあるのに!足が遅いなんてショーゲキ的だ。 15ドル払い、ワニの赤ちゃんを抱いて写真も撮る。 くまが頭のほう、わたしはしっぽのほうを持つ。 ワニのしっぽは冷んやりして、硬かった。腹のあたりは少しやわらかいけど、やっぱりうろこにおおわれている。足の裏は猫の肉球みたいにふにふにしている。 小さくてもワニなので、口はセロハンテープでぐるぐる巻きにされている。 係の人の手に返したあと、お兄さんがテープを外したら、口をぱっくり上下に開けて威嚇していた。やっぱりワニなのだ。小さくても。どんなに人に馴れていても。 写真は3枚撮ってもらい、どれもいい写真だったので、5ドル追加して全部CDに焼いてもらう。 4歳のワニの赤ちゃん。これから少しずつ成長し、大きければ5メートル以上にもなり、長ければ100歳か120歳まで生きるらしい。彼(彼女?)が100歳になるころ、このワニ園がグリーン島にあるかどうかすら、もはやわからない。いずれにしても、彼は静かに自分の運命を受け入れている様子だった。 大人のワニの餌付けも見る。係の人が、鶏の肉を丸ごと釣竿のような棒にぶら下げて、ワニのいる池に向かってそろそろと下ろす。 ワニは目にも止まらぬ速さでダイナミックに跳び上がり、鶏を丸呑みにしてふたたび池の中に戻ってゆく。 ふつうにカメラを構えていては決定的瞬間を撮れないので、くまは連写機能を使い、30枚くらいワニの写真を撮っていた。 (後で妹に新婚旅行の写真を見せたら、「君たちがこれほどワニ好きとは知らなかったよ」と言われた。コアラより、カンガルーよりエメラルドグリーンの海より、ひょっとするとわたしたち夫婦よりも、ワニの写真がいちばん多いのだ) 展示スペースの一角に、人食いワニの新聞記事などが貼ってあり、食べられた人の顔や手足を写した写真があった。恐怖にゆがんだ顔。見開かれた両目! 「孫の代まで夢に出てきそう…」と思いつつ、こういうときの常で目が離せなくなる。 「ほら、いくぞ」とくまが引き離してくれなかったら、もっとずーっと見ていたかも。 ワニ園の中にはカメの池もあり、大きなウミガメが3匹、ゆっくり泳いでいた。 「俺はカメが好きだなあ」とくま。しみじみと写真を撮っている。 カメはときどき、水面に顔を出して、「しゅー」と派手な音を立てて深呼吸する。 餌付けショーも穏やかなもので、キャベツの葉を競い合って甲羅がぶつかり合い、「こちん」「ぱしゃん」と音を立てる程度。 人食いワニの展示を見た後では、ウミガメが天使のようにみえる。 どう考えてもワニより平和な感じがするが、生きるための必死さが変わるはずはないので、体内時計のスピードや食習慣が違うだけ。人間の勝手な印象だな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.28 10:41:57
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