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カテゴリ:旅日記
シャングリラホテル2036号室。20階ではなく2階。午後11時。
窓の下あたりから、ハウスみたいな音楽のリズムと、若者の歓声が聞こえる。近くにカジノがあるから、そこから聞こえてくるのかな。ベランダに出てみたけれど、遠い街の灯かりしか見えずよくわからない。くまは眠っている。出かけてみたいが、ひとりでは少しこわい。 夕食は、ホテルと同じ建物の中にあるフレンチレストランでコースをいただいた。 シェフが全員日本人。フロアスタッフも主に日本人。おいしいものを少しずつ…という素晴らしい日本のフレンチを、心ゆくまで味わう。フランス料理にも、オーストラリアふうと日本ふうは確かにある。 前菜も、鴨のサラダも、伊勢えびのメインも、ものすごーくおいしかった。 白ワインを1本空けつつ、学生時代のエピソードを順番に披露しあう。 夢中になって話していたら、突然のスコール。店のBGMも、くまの声も、何も聞こえないほどじゃーっと降る。 店の人がテラスに雨よけの屋根を出したけれど、気休めにもならない。 わたしたちはテラス席と室内の境目あたりにいたので、水しぶきもほとんど浴びず、ショウを見るように雨を見る。 長年かけて腐った風呂の底が、ある日突然、ぼこっと抜けたみたいに降るのだから、傘も雨がっぱも意味がない。外にいれば濡れないという選択肢はないし、室内にいれば出かけようとは絶対に思わないだろう。 抵抗しようという気持ちも起こらない、人間ごときに選択肢もない雨というのは、いっそ気持ちがいいものだな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.28 11:57:15
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