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カテゴリ:読書日記
朝から太陽が見えたり、雲のかげに隠れたり、雪が降ったりやんだりしています。
明るい日が差しているのに雪のかけらがふわふわ舞っているのは、何だかふしぎな感じ。 雲を見上げて、この先わたしはどこまで行くのかなあ…と敬虔な気持ちになる。 泊まり勤務でくまがしばらく留守なので、ちょっとしたひとり暮らしきぶん。 こんなときの強い味方は、シンプルな食材でおいしく作れる高橋みどりさんの「伝言レシピ」。 焼いたおもちに柚子こしょうをのせておしょう油をたらしたり、キャベツとニンニクだけ使ってスープパスタを作ったり、お手軽ひとりごはんを楽しんでおります。 くまは灯りが点いていると眠れないので、わたしもいつの間にか寝室で本を読む習慣がなくなっていたのだけど、ひさびさにアロマランプを枕元へ置き、フランス産ラベンダーのオイルをたいて日記をつけたり、「暮しの手帖」の睡眠特集を読んだり。 こうしていると、東京で暮らしたあの小さな部屋のこと、なつかしく思い出すなあ。 仕事が早く終わった夕方や、休日の午後にいつも通った喫茶店。またあの最高においしいコーヒーを飲みたいな。店員さんの笑顔に会いたい。 川沿いの桜月夜。雨の日の公園。木の枝から滴るしずく。橋の上から見る夕焼け。電線の上に引っかかった大きな満月。 台所はおままごとみたいに小さかったけど、あの場所でいろんな料理を覚えた。 狭いから、小さなスピーカーでも部屋中に音楽を響かせることができた。 ベッドに腰かけて、本もたくさん読んだなあ。 わたしの大切なお城。 いつか、今暮らしている雪国を離れるときが来たら、この場所のことも、こんなふうにいとしく切なく思い出すだろうか。 そうなるといい。 * 「ハチミツとクローバー」の番外編が載っている「コーラス」を買ってきて、昨日から何度となく読み返してはにやにやしている。 羽海野さんはすごい。いろいろすごい部分はあるけど、わたしがいちばん尊敬するのは集中力と愛情。 あんなに繊細で敏感な感じの方が、作品の世界をこれほど愛し、集中して入っていくのはどれほどエネルギーのいることだろうと思う。 覚悟を決めているのだな、羽海野さんは。かっこいいな。 (野宮さんがあゆのそばで寝転んで読んでいる本、村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」だった。三度目に読み返したとき発見して、ちょっとうれしい気持ち。むふ) 図書館で借りてきた工藤直子「ともだちは海のにおい」、時間をかけて大切に読み終える。子どものとき、妹とふたりで何度も読み返した宝物の本。 孤独とビールが好きで、口の中に書斎を持っていて、ときどき自分でも詩や小説を書いたりするくじら。 孤独とお茶が好きで、輪くぐりが趣味の、いるか。(得意技は、「いるか三十六回転」) ふたりの穏やかな日々を描いた童話なのだけど、あんまりやさしいお話なので、読んでいてときどき涙ぐんでしまう。 ともだちはすばらしい、なんて書かなくても、ビールを飲むくじらのようす、そこに寄り添ういるかの小さな影を思い浮かべれば、あの子やこの子の顔が目に浮かんで、「会いたいなあ」って思うのだ。物語の持つすてきな力。 こわい夢をみたいるかが、大急ぎでくじらのところへ泳いでいって、くじらのおなかのあたりにくっつき、頭をなでてもらう場面が好き。かわいくてきゅんとなる。 くじらがいるかに読んでやる「子守歌のような詩」もいい。本当によく眠れそう。 次は「ともだちは緑のにおい」(ライオンとかたつむりとろばの物語)を借りてきて読もう。楽しみだなあ。うふふ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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