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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2008.02.28
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カテゴリ:読書日記


小林健二「ぼくらの鉱石ラジオ」を読む。
このところ、小林健二の世界にどっぷりはまっていて、この本を図書館に返すときもそれは名残惜しかった。
結晶。妖精。それに鉱石ラジオ。

鉱石でね、ラジオが作れるのです。
あとはコイルや銅線やアンテナや、シンプルな材料だけで。電源もいらない。
鉱石がラジオになるというのがまずふしぎで、わくわくして、「なぜ?なぜ?」と思いながら一心に読む。
理科も算数も苦手だったから、回路図や作り方の説明を見てもあんまり理解できないんだけど、それでも知りたくて、一生けんめい読む。
しくみや原理は説明できるけれど、最後の「なぜ」―つまり、どうして鉱石がラジオの部品になるか―は科学でも数学でもわからないらしい、ということだけ漠然とわかる。

考えてみれば、パソコンだって携帯だってテレビだって、当たり前のように使っているけど「なぜ?」と思うことはほとんどない。
それなのに、鉱石を使ったラジオ、というものにこんなにも興味をひかれロマンを感じるのはたぶん、それが単純でシンプルな構造をしているからだ。
単純なものに心を寄せ、複雑すぎるものはわからないなりに受け入れてしまう。人の心はふしぎ。

澁澤龍彦へのオマージュとして作られたという「悲しきラジヲ」と、そこにこめられた小林健二のメッセージがあまりに透明で、ぼうっと見とれる。たましいの安らぎの場所。
鉱石に詩を読みとる…と言ってまず思い出すのは宮沢賢治
科学を愛する詩人の言葉は、いつの時代も透明なのだな。





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Last updated  2008.02.28 16:56:52
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