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カテゴリ:旅日記
出羽三山へ。
いまの季節、のぼれるのは三つの神社が併せて祀られている羽黒山。 頂上まで有料道路も通っているのだけど、憧れの出羽三山、せっかくだから神様の庭を歩かせてもらおうと思い、ある程度準備をして麓から歩いて登る。 準備体操をして随神門をくぐると、すっと空気が変わるのがわかる。 涼やかな風が吹いて、樹齢三百年以上という杉たちが空に向かってまっすぐ伸びている。 中には、樹齢千年と言われる「爺杉」も。 屋久島の白谷雲水峡もすばらしい森だったが、ここも本当にいい森だな。 香ばしいにおいがして、息をするごとに体の中が洗われるみたいだ。 この五重塔は国宝だそう。 急な石段を、もくもくとのぼる。 最初はシャッターを切る余裕もあったのだけれど、だんだん口数が減り、カメラをぶら下げていることさえしんどくなる。 ときどき足を止めて汗をぬぐい、水筒の冷たいお茶を飲む。 車で登るひとが多いのか参道には人も少なくて、風の音、鳥の声しか聞こえない。 参道のあちこちに小さな神社があって、神さまが祀られている。 通り過ぎるとき頭を下げて、「失礼します」と心の中で挨拶する。 特別信仰心が篤いほうではないけれど、思わずそうしたくなるような静寂。 お昼すぎに頂上の神社へ着いて、大小の神さまにひとつずつ手を合わせる。 不謹慎ながら人間界で言えばマンションのように祠がいくつも並んで、神さまが大勢おられるのです。 きちんと手入れされたたくさんの神社を見ていると、この山に満ちる静かで穏やかな、凛とした空気の理由がわかる気がする。 用意してきたおにぎりとお弁当(から揚げ、卵焼き、うどのきんぴら、こごみ胡麻和え)で腹ごしらえして、山を下りる。 わたしは軽い高所恐怖症なので、山は登りより下りがきついのだけど、杉の枝を拾って杖にして、くまに励まされながらリズムをつけて降りたらふしぎとこわくなかった。 帰りに温泉で足の疲れを癒して、家路に着く。 体は疲れているはずなのに、心はびっくりするくらい軽くて、台所仕事や洗濯がちっとも苦にならない。ゆったりした、やさしい気持ち。 心も体も、つまりが取れて滞りなくすーっと流れる感じ。 くまも同じことを言っていたから、たぶん気のせいじゃないだろう。 週末や夏のお休みも使って、出羽三山のあと2つ、湯殿山と月山にも登ろうと決める。 3つのお山のうち、いちばん標高が低くて登りやすいのが羽黒山。 くまはくまだから山は得意中の得意だけれど、問題はわたし。 さぼらずにせっせと走って体力つけなくっちゃ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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