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カテゴリ:旅日記
夏がきたような日差し。 念願の宮沢賢治記念館へ行く。 自筆原稿や書簡、資料を展示した記念館のほかに、賢治の童話世界を体験できる童話村、研究・愛好者のためのイートハーブ館という施設もあって、それぞれの施設が散歩道で結ばれている。 子供がいたら、晴れた日におべんと持って一日楽しめそうです。 記念館には、星、鉱石、農業、音楽、信仰などのテーマごとに賢治の世界を切りとる展示があって、時間を忘れ賢治の言葉を心の中で何度も反芻する。 子供のころ衝撃を受けた、「春と修羅」の序文。 わたくしといふ現象は 假定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です 永訣の朝。銀河鉄道の冒頭。 どれもこれも夢中になって見る。 賢治の童話や詩はそれぞれ切り離され独立した断片ではなく、全体がひとつの宇宙、世界観を形づくっている。 記念館のそばには、「山猫軒」が! 小さくみえる猫の看板には、もちろんこう記されている。 どなたもどうかお入りください 決して遠慮はありません 楽しかったのは童話村。 「白鳥の停車場」の前を通り、「銀河ステーション」駅の門をくぐると「妖精の小径」があって、でんしんばしらたちが行進してる。 建物の中に入ると、星の部屋や水の部屋、真っ白な空間にふしぎな椅子がたくさん置かれている部屋があって、物語の世界に迷い込んだような気分を味わえる。 外に並んだ山小屋には、鳥や花、星、動物、鉱石などのテーマ別展示があって、音と光が効果的に使われている。 触ったり、のぞいたり、においをかいだり、音を出したり。 子供に返ったような気持ちで、わくわくどきどきしながら回る。 ああ、すてきな場所だったなあ。 天気がよかったから新緑がきらきらして、ユートピアみたいだった。 この土地にイートハーヴを見た賢治の感受性。詩人としてのまなざし。農民の手。そして科学者の視点。 ほんの少しだけど、近づけたような気がする。 いつかまた訪れよう。 そして帰ったら、ここで見た景色を思い浮かべながら、大好きな宮沢賢治全集をもう一度読み返そう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.14 14:02:21
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