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カテゴリ:読書日記
朝、窓を開けて太陽礼拝をしながら、「あ、今日は走ろう」と突然思いたった。 この夏はほとんど走れなかったから、ひさしぶり。 そう言えば去年、突然思いたって走りはじめたのも、こんな気持ちのいい秋の朝だったな。 走るのにいちばんいい季節は今。秋から、雪が降りだすまでの短い時間だ。 ちょうどくまが走りに行くというので、一緒に出かける。 腕は前に振るというより、肘で後ろを押すように。 みぞおちのあたりにひもを通して、それを引っ張るつもりで。 腰を持ち上げ、おへそをちょっと突き出すような感じ。 正しい姿勢を教わりながら、朝のすがすがしい空気の中を走る。 呼吸は苦しいけど、頭の芯がどんどん冴えてくる。 途中、川原でひとやすみ。 虫の声。朝つゆ。風にゆれる色とりどりのコスモス。 やっぱり走るのはいいなあ。体が軽くなる。 長田弘「読書からはじまる」を読む。 このひとが読書について書いたものを読むのが、わたしは本当に、心の底から好きでたまらない。いつまででも、何度でも、いくつになってもどんな場所でも、ひたすらにずーっと読んでいたい。 ゆっくり、じっくり、ふくよかな言葉を心の中で転がすようにしながら大切に読んでいると、呼吸が楽になり、精神が安定する。 自分がこれまで出会ってきたたくさんのすばらしい本、いま手元にある友人のような本、これから出会うかもしれない未知の本。 それらに思いを馳せることは、重度の活字中毒患者にとって、みずからの人生を思うことにひとしい。 「言葉で自分をどうゆたかにできるか、ではなく、自分は言葉をどうゆたかにできるか」という場所で動けなくなり、覚えるまで何度もその場所を読み返す。 限られた人生のなかで、わたしは言葉をどれだけ豊かにできるか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.15 10:49:08
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