596269 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

本読みのひとりごと

本読みのひとりごと

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Free Space

読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

Profile

biscuit5750

biscuit5750

Comments

biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

Rakuten Card

Archives

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07

Category

2008.11.10
XML
カテゴリ:読書日記
ゼイディー・スミス「直筆商の哀しみ」を読む。
有名人の直筆サインを売買するオートグラフマンのアレックス・リ・タンデムと、彼をとりまく人びと。混乱と放浪の9日間。
クセのある文章で、読みすすめるのに時間がかかったが、そのぶん、いったん入り込んでしまうと中毒性も強い。特に後半、舞台がニューヨークに移ってから、格段に面白くなった。
これはたぶん、原語で読んだら倍も楽しめる小説だろう。言葉あそびが散りばめられ、文体が疾走している(と、推察される)。
中身のないもの、空虚な箱を売り買いするアレックスの日々は、魔法の靴で空中を散歩しているみたいに実体がない。その浮遊感と、はねるような文体がよく合っていると思う。




川本三郎「旅先でビール」を読む。
読んで字のごとく、題名どおりのエッセイ集。
ひとり、ふらりと出かけた旅先の、何ということのない大衆食堂でビールを一杯。
過去にも、未来にも、何ものにも固執しないこのたたずまい、心地いいなあ。いつまでも読んでいたい。言葉の温泉に肩までつかっていたい。
わたしも年を重ねたら、こんなふうにさらさらと流れ、それでいて心にのこる文章を書けるようになるかな。なりたいなあ。




ゲド戦記3「さいはての島へ」読了。
大賢人となったゲドが、少年アレンを連れて世界の均衡を取り戻す旅に出る。
1では少年期の虚栄心とのたたかいを、
2では青年期の心の闇を、
そして3では壮年期の死へのおそれを、ル=グウィンは目をそらさず真っ向から描きだしていく。
これは子どもたちのファンタジーであると同時に、大人にむけてひらかれた哲学の書でもあるのだな…なんて思うのは、池田晶子さんにかぶれているせいかもしれない。

ジブリの「ゲド戦記」はまだ見ていないが、3を下敷きにしていると聞いた。
「さいはての島へ」はより思索的、哲学的で、映像にするのはとても難しそうだ。
1の「影とのたたかい」はなんといってもゲドが少年だし、脇をかためる登場人物たちもはなやかで想像力をくすぐる。ストーリーもわかりやすい。
ありえないことだけれど、もしもこの先、宮崎駿監督がゲド戦記をつくるなら、「影とのたたかい」が観たいなあ、と個人的には思うのです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.11.10 17:19:22
コメント(0) | コメントを書く
[読書日記] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X