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カテゴリ:読書日記
早咲きの梅。 つぼみにカメラを近づけてピントを合わせていたら、枝先にうぐいす色の鳥がとまった。 「あっ」と思ってレンズを向けたら飛んでいってしまった。 うぐいすさんうぐいすさん、春はまだですか。 まだまだ。まあだだよ。 池澤夏樹「世界文学を読みほどく」を読む。 2003年、夏休みの終わりの一週間、京都大学文学部でおこなわれた授業の講義録。 京大生でもなんでもないわたしが、たった1600円で、自宅の居間にいながら池澤夏樹の講義をじっくり読める。おお、なんという幸福! 文学論の講義…というよりも、池澤夏樹の書斎におじゃまして、その書棚をじっくり見せてもらいながら話を聞いているような感じ。 とり上げられた10冊のブックリスト。 スタンダール「パルムの僧院」 トルストイ「アンナ・カレーニナ」 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」 メルヴィル「白鯨」 ジョイス「ユリシーズ」 マン「魔の山」 フォークナー「アブサロム、アブサロム!」 トウェイン「ハックルベリ・フィンの冒険」 ガルシア=マルケス「百年の孤独」 池澤夏樹「静かな大地」 ピンチョン「競売ナンバー49の叫び」 10冊と言わず、もっともっとたくさん、いつまでもお話してください…と感じさせるおもしろさ。 この本自体が、「世界文学を読みほどく」というタイトルの小説のようでもある。 読んだことのある本は魅力を再発見し、 読んだことのない本の章もしっかり楽しめる構成になっている。 巻末には、「『百年の孤独』読み解き支援キット」なる付録も。 半分も読まずに挫折したガルシア=マルケス、もう一度挑戦してみようかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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