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カテゴリ:読書日記
鮮やかな青色に目をうばわれて、連れ帰ってきたデルフィニューム。 朝起きて水を替えようとしたら、昨夜は満開だった花たちが、一斉にしおれて下をむいている。 おどろいてたしかめたら、コップの水がすくなくて、夜の間になくなってしまったみたい。 あんなに綺麗に咲いてくれていたのに、ごめんね…と思いながらたっぷり水をやり、30分ほど経ってふと見たら、またやわらかい花びらを広げて元気に咲いていた。 植物は、ほんとうに水で生きているんだなあ! 原田真裕美「あなたの人生で本当に大切にするべき27のこと」を読む。 表紙の写真がとてもきれいで、手にとって開いたら、中にもため息の出るような美しい写真がたくさんあって、どうしても手もとに置きたくなったのです。 著者はニューヨーク在住のサイキック・カウンセラー。 「夢」「パートナー」「直感」「自信」「バランス」「クリエイティブ」「宇宙」… キーワードごとに27の章に分かれていて、写真と詩のような言葉、短いエッセイが添えられています。 シンプルだけど、読みすすめるごとに心が透きとおってゆくような、すてきな本。 一度に読んでしまうのがもったいなくて、毎日一章ずつ楽しみに読みました。 読んだ言葉を一日のキーワードにして、洗濯物を干しながらお風呂に入りながら、そのテーマについて考えてみる。 あるいは一日の始まりにぱっと開いたページを、今日の自分へのメッセージとして受けとる。 そういう読み方に耐える、中身の濃い本だと思います。 * 原田真裕美さんの本を読むのは初めてではなくて、何年か前に「自分のまわりにいいことがいっぱい起こる本」を読んだのが出会い。 「自分のまわりに…」を手にとったころのわたしは、人生八方ふさがり!と感じていて、自己啓発本やスピリチュアル本、心理学の本を買い漁っては自分のまわりに積み上げ、砦を築いてその中に篭城していました。 「自分のまわりにいいことをいっぱい」起こしたかったんだろうなあ、自分… その後の数年でいろいろなことがあって、何度か引っ越しもして、当時買い集めた本も大部分を処分したのだけど、原田さんの本は手放すことなく、ときどき読み返しながら一緒に過ごしてきました。 それはたぶん、原田真裕美さんの言葉が、「読んで気分がよくなる」だけのきれいごとじゃなかったからだと思います。 すくなくともわたしにとっては、著者が泥の中に手を突っ込んで、手を泥んこにして拾い上げた宝石みたいな気がしたのです。 読んで考えてのみ込んで行動して、忘れたらもう一度読み返して、自分のものにしていく種類のことば。 「あなたの人生で本当に大切にすべき27のこと」は、その本物感は変わらないまま、時代の流れに合わせて言葉の透明度が上がっている感じ。 とは言えこういった本は、とかく波長の合う・合わないがあるので、例によって本屋さんや図書館で手にとって、「ぴん!」とアンテナが反応したらじっくりページをめくることをおすすめします。 * 肝心なのはたぶん、誰かと話したり本を読んで「あ、わかった」とか「気づいた」と感じる瞬間ではなく、うまくゆかないときや思い通りに進まないときにも、その「わかった」感じをどうやって途切れさせずにつづけるか、なのだと思います。 気づいたりわかったりする瞬間はわりと頻繁におとずれるけれど、それ自体は小さなきっかけにすぎなくて。 頭でわかったことを、体と五感で表現しつづける、いつでも自在に取り出すことのできる修行のために、人は八十年の時間を要するのかもしれないなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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