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カテゴリ:読書日記
裏山の公園が赤く燃えているように見えて、おどろいて見にいったら群生する草(木?)の葉っぱだった。 背たけはわたしの胸くらいまであって、どの葉っぱも一枚のこらず、燃えるように赤いのです。 図鑑でも、インターネットでもずいぶん調べたけれど、名前がわからない。どうしてこんなに赤いのかも。 ご存知のかたがいたら、どうかわたしに教えてください。 梨木香歩「家守綺譚」を読む。 ひょんなことから、行方不明になった親友の実家で家守りを引き受けることになった売れない物書き、綿貫征四郎。 ところがある晩、床の間の掛け軸の中から、ボートを漕いで思いがけない人物があらわれる。 以来、征四郎の周りで、奇妙なことがつぎつぎ起こりはじめる。 河童が出る鬼が出る、狸は化ける木は恋をする…という具合。 実は以前、同じ作家の別の作品を読んだことがあって、そのときは物語の世界観に入りきれず、以来なんとなくほかの作品も読まずにすごしてきた。 しかし、各所で絶賛されているのを見聞きするにつけ、是非その魅力に近づきたいものだと思い、入り口になりそうな本を探していて、出会ったのがこの「家守綺譚」。 主人公の綿貫征四郎はじめ、隣のおかみさんや山寺の和尚さんら、登場人物たちのとぼけた味わいがいい。 征四郎の家に居着いた犬のゴローがまた、凛々しくてかわいい。 この世ならぬ者たちも、作者の筆にかかると、そこにいるのが当然、というふしぎな存在感を帯びる。 四季折々の花や木、景物の描写も読みどころ。 夏目漱石の「夢十夜」や、内田百間がお好きなむきにも受けいれやすい世界観と思う。 かく言うわたしもすっかり梨木香歩の物語世界にとりつかれ、今は「村田エフェンディ滞土録」を読んでいます。 苦手と思い込んでいたあの小説も、もう一度読んでみようかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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