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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2024.07

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2010.02.01
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カテゴリ:読書日記


森まゆみ「女三人のシベリア鉄道」を読む。
地域雑誌「谷中・根津・千駄木」で知られる著者が、与謝野晶子、中條(のちに宮本)百合子、林芙美子の旅日記を携え、シベリア鉄道に乗り込む。
時を越えてオーバーラップするシベリア鉄道の旅が、それぞれの作家の人間らしさをあらわしていて、読むほどに味わいぶかい。

夫鉄幹を追いかけて、七人の子どもを日本に残し、単身パリを目指す与謝野晶子の熱情を筆頭に、当時の「書く女」たちはおそろしくエネルギッシュ。
「旅のことを考えると、お金も家も名誉も何もいりません。恋だって私はすててしまいます」と言って、異国の乗客ともボディーランゲージで仲良くなるのは林芙美子。
恋はすててしまうと言ったくせに、日本に夫だってのこしてきたのに、パリに着くや否やちゃっかり恋をしてしまう芙美子さん。どこか可愛くて、にくめない。
山の手のお嬢様そだちの中條百合子と、カフェで女給をしながら書きつづけた芙美子とでは、同じ国を旅して感じることがまるで違うのも面白い。

本書を読みながら思いついて、武田百合子「犬が星見た」も同時並行で再読してみた。
こちらの百合子さんの筆は、天真爛漫、軽妙洒脱。
いつまでも、ずーっと読んでいたくなる文章。

五人の女たちのロシア紀行が、頭のなかで混ざり合う。
お風呂で読むから、ますます頭がぐるぐるする。
作家たちと同じコンパートメントに納まって、ああだこうだと言い合いながら、シベリア鉄道に揺られている気分になる。いい気なもんだ。
サモワールで沸かしたお湯で飲む熱い紅茶は、どんなにか身体をあたためてくれるだろう…などと夢想して、ますますぼーっとなる。

バラと桜

作家の旅日記を読むのが、とても好き。
テーマに沿ってきれいに編集された文章でなく、もっとごちゃごちゃして、作家の頭の中を覗きこめるような、雑多な文章。
見た景色、出会った人、食べたもの、何気ない雑談、乗り物酔いや食あたり、喧嘩。
そういういろいろが全部放り込まれたごった煮こそが旅!という気がする。

紹介されていた林芙美子の旅日記も、取り寄せて読んでみようっと。



林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里」(岩波文庫)





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Last updated  2010.02.01 13:18:25
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