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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2010.04.13
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カテゴリ:旅日記
咲きたての薔薇

週末、青森へ行ってきました。
小さな文学賞で佳作をいただいて、その表彰式があったのです。
同じ雪国でも、わたしの住む町から青森へは、ずいぶん遠い。
バスと電車を乗りついで4時間。
駅から会場のホテルまで、さらに1時間山をのぼる。

標高が上がるにつれ、道の両側に、地層みたいな雪の壁があらわれる。
その奥に、ブナの林がどこまでもつづく。
しんとした美しさに口をあけて見とれ、写真を撮るのも忘れてしまった。

表彰式の前、係の人が、胸にりんごの花のコサージュをつけてくれた。
白い可憐な花がふわりと香る。

パーティで、そのコサージュを作った女性と話をする機会があった。
はなやかな雰囲気に自分を馴染ませられずにいるわたしに、さりげなくやさしい言葉をかけてくれた。
ちょっと涙が出るかと思った。
そっと寄り添ってくれるお花みたい。
やわらかな空気をまとったやさしいひと。

緊張やらで、豪華なお料理も少ししか食べられなくて、コンビニでおにぎりと春雨スープを買ってホテルに着いたら、フロントのお姉さんが、「会員になった方が宿泊料金がお得ですよ」と言う。
せっかくだから…と申込書を書いて手渡すと、お姉さんが「あっ」という顔になる。
「どうしたのかな」と思っていたら、お姉さん、声をひそめて「誕生日がまったく同じです」。
11月7日。だけではなく、生まれた年まで同じだったのでした。

「ええっ! では29歳さそり座ですね!」などと盛り上がっているうちに何だかほっとして、ようやく緊張もとけてきた。
神さまが、気のきいた偶然を用意して、「今日は一日お疲れさま」と言ってくれているみたい。

お湯をわかして春雨をすすり、きりきりする胃をおにぎりでなだめ、シャワーを浴びてベッドにもぐりこむ。
いただいた花束の、百合と薔薇の香りにつつまれ、茨木のり子さんの「汲む―Y.Yに―」という詩の言葉を子守唄がわりに頭の奥でゆらしながら、だんだん眠りに落ちる。
同じ日に生まれた女の子が、同じ屋根の下にいるなんて愉しいな、と思いながら、夢もみないでぐっすり眠る。



入賞した小さな物語は、今年の秋か冬ごろ雑誌に掲載されたのち、来年春に作品集として出版されるそうです。
詳細は決まりしだい、このブログでお知らせします。
もう少し早く読みたいと思ってくださる方、お名前とメールアドレスをお書き添えのうえ、メッセージをいただければ幸いです。





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Last updated  2010.04.13 08:14:10
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