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カテゴリ:読書日記
あっという間に季節が移り変わって、ちびくま、9ヶ月になりました。 8ヶ月でつかまり立ちとはいはいができるようになり、最近は、母さんを追いかけてつたい歩きをしたり、引き戸を開けて隣の部屋に行ってみるという技も身につけたので、ますます目がはなせません。 基本的に機嫌のいい人で、おなかすいたとか眠いとかどこかぶつけたという理由がなければ、いつもにこにこ笑っている。 ひも状のものと、洋服や布製品についているタグ、つるつるしたビニールが大好き。 見つけるとすごい勢いで突進して、指でつまみ口に入れていつまででも研究しています。 テレビの天気予報も好き。 ぐずったり、ほかの遊びをしていても、気象情報の時間になるとすべて中断してテレビに釘づけ。 最近は、天気予報の時間に合わせておむつ替えをしています。 サイモン・フレンチ「そして、ぼくの旅はつづく」を読む。 児童文学の棚にあって、はじめて読む作家だったけど、バイオリンを弾く男の子の表紙にひかれ手にとった。 ドイツで生まれ育った少年アリが、ふるさとと大好きなオーパ、おじいちゃんのもとを離れ、母さんとふたり、バイオリンを相棒に世界を旅する物語。 すごくよかった。 少年のゆれ動く心と、音楽の愉しさが生き生き描かれていて。 最後のページにたどり着いた後、本に指をはさんだまましばらく余韻にひたっていたくなるような、いい時間だった。 もともと、読むのも書くのも、「ぼく」という人称で語られる物語が好き。 小さな体で、大きな世界に船出していく心もとなさと、それでもどうしても出発せずにはいられないという衝動が表現できるのは「おれ」でも「わたくし」でもなくやっぱり「ぼく」だと思う。 男の子を産んで、「ぼく」という言葉の響きがさらにリアルになった…というか、「ぼく」と名乗る小さな登場人物たちに、特別な愛情を抱くようになった。 想像もつかなかった「男の子」という生きものの思考回路が、前よりもちょっと身近になった。そういう気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.21 15:51:31
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