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カテゴリ:読書日記
ふだん、ミステリは滅多に読まない、観ないのだけれど
(ポリシーがあるわけじゃなく、ただ単に血がこわいだけ)、 きっかけがあって、国内外のハードボイルド小説をいくつか読む。 日本の小説でしびれたのは、大沢在昌『新宿鮫』 映像的で、ドライブ感抜群、カタルシスもあって、爽やかな読後感。 そしてレイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』。 中毒性のある独特の文章を読み進めながら、 何度も頭を撃ち抜かれるような衝撃を覚える。 なんだ、このかっこいい小説は! フィリップ・マーロウの魅力は言わずもがなだけれど、 テリー・レノックスの描写が抜群。 あとがきで村上春樹が書いている通り、 ギャッツビーを想起させる哀しさと儚さ。 仮にも「本読み」を自称しながら、 こんなに面白い小説を30年も見逃してきたなんて、 自分のばかばかばか!! そして、遅ればせながらようやく気づく。 優れたミステリ作家は、暴力や殺人を描きたくて小説を書くのでなく、 「ミステリ」というジャンル(制約)の中で、 自分が小説家としてやりたいことを実現するんだ。 たとえばチャンドラーの文体実験のように。 そこで「制約を生かす」という前回のエントリーに思考がつながる。 これは、どうやら当面のテーマになりそうな予感。 読書日記 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.06.25 06:44:40
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