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テーマ:仕事しごとシゴト(23731)
カテゴリ:おしごと日記
最近、紙の本を作る仕事を手伝わせてもらっている。 何十回も読み返して、「絶対にひとつの間違いもない!」と自信を持って原稿を納めるのだけれど、校正の方にチェックしてもらうと、必ず直すべき箇所があって、真っ赤になって返ってくる。 早朝の静かな部屋で、校正の赤字を確かめながらひとつずつ間違いを正していると、会ったことのない彼女(筆跡から察するに、たぶん女性なのだ)と、会話しているような気持ちになる。 「ここ、こういう表現にした方が伝わりやすいかもしれませんよ」 「ああ、本当ですね!こっちの方が分かりやすい。全然気づきませんでした」という具合に。 脳みそが沸騰するほど調べて、練って、格闘した原稿を、自分と同じくらい真剣に、集中して読んでくれる人がこの世にいるのは、なんて心強いんだろう! 網目の細かいネットを大きく広げて、受け止めてもらうような安心感。 それにしても、この方の校正は本当に素晴らしい。 誤字・脱字から、言い回しの不自然さ、事実関係の間違いや前後のつじつままで、信じられないくらい丁寧に見てくれている。まさに職人芸。 あんまり感動したので、編集者の方との打ち合わせのとき「校正の方…素晴らしいですよね!」と思わず言ったら、「そうなんです!本当にすごい校正なので、指名して、ずっとお願いしているのです」とのこと。 私とその方は会ったことがないし、たぶん、これからも会うことはないだろう。 でも、原稿を通じてつながっているふしぎな縁。 彼女の仕事に恥じないように、手紙を書くつもりで次の原稿もがんばろうと思うと、何だか背すじが伸びてくる。 本が出来上がるまでの長い道のりが、楽しみにすら思えるのだ。 読書日記 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.02.05 17:09:53
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