|
テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:今日読んだ本
たまたま、古いドイツ語の博士論文をいくつか手に取る機会があったのだが、どの論文にも巻末に略歴が載っている。
前に見た、日本語の博士論文には無かった気がする。 で、この略歴部分が異様に詳しい。 最近の物になるほど簡略化されてくるのだが、それでも何処で、何年何月何日に生まれたて、どこの学校に通ったかをズラズラと書いてある。 戦前の論文になると、何故ここまでと思えるほど詳しい。 まず何々の(銀行員とか官吏とか)の父××と、旧姓は××である母××との間に生まれた私は、××の地から××の学校に通い、××に進学して云々と延々書いてある。 本人特定の資料としてはありがたいし、昔は博士というものに、それだけの重みがあったんだろうと思うと感慨深い。 それはさておいて、そのような論文の1冊に、生まれた地名が書いてあるけどよく分からないものがあった。 分からないのも道理で、そこは現在ポーランド国内で、ポーランド語の地名がついている。 第2次世界大戦後、ソ連はポーランド西部の領土を大幅に分捕り(ポーランド戦でナチス・ドイツと分割した部分の既得化)、ポーランドはドイツのオーデル・ナイセ川以東を分捕った。 このドイツが取られちゃった領土の広さは、日本の北方領土が針の先に思えるほど広大なものだ。 それはさておき、 この旧ドイツ領に生まれた某博士は、名前にvonがついてるで多分貴族様である。 戦争中は陸軍ポツダム連隊を経て空軍へ移り、なんと!降下猟兵師団に所属して、終戦時の階級は少佐(大隊長?)であり。 アメリカ軍の捕虜としてイタリアで終戦を迎えている。 その後、経済学で博士になるぐらいだから主計畑にいたのかもしれないが、それでも降下猟兵部隊だからなあ(空挺部隊はどこの軍隊でも精鋭中の精鋭) おまけにイタリアだから、クレタ島とかゴシックラインとかの激戦地が連想されるわけですよ。 略歴の最後に Ich bin deutscher Staatsangeh?riger. って一文が唐突に書いてあって、なんじゃコレと思ったんですが、こうしてみると納得ですね。 超訳すると 『私はドイツ人であります!』で、いいのかな お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.12 11:02:32
[今日読んだ本] カテゴリの最新記事
|