モンスター
アメリカ犯罪史上例を見ない女性シリアルキラー アイリーン・ウォーノス(又はウォルノス)をモデルに彼女がが逮捕されるまでの最後の蜜月の映画化。シャーリーズ・セロンクリスティーナ・リッチ犯罪心理学や、プロファイリングについて書かれた記事や著書が好きで、アイリーン・ウォーノスについても、おおよその情報ははありましたが、レビュー等での、シャーリーズセロンの演技についての評価は高く“役づくりの為の13キロ増量”にも、野次馬根性をくすぐられ、そんなわけで、鑑賞しました。なぜだか、一番印象に残ったのは、解説入りで観た時のシャーリーズ・セロンのコメント。エンドロールに入る直前、アイリーンが最後に残した言葉と、死刑が執行された記述を見て「悲しい」と。シャーリーズ自身も依存症者の居る過酷な家庭で育ち、彼女自身も被虐待児であり、親が目の前で射殺されるという壮絶な体験をしてる。だから、技術だけでは演じ切れない悲しみや苦悩が結果としてアカデミー賞主演女優賞受賞につながったと思える。また、クリスティーナ・リッチが演じる事によって実際のアイリーンの恋人とは随分と印象が違うもののメンタル面での“かけひき”のようなもと、愛した相手が同性愛だったのであってGayの犯罪ではないというのが表現されつくしているのはさすがです。アイリーン・ウォーノス本人を死刑執行直前まで取材、インタビューしたドキュメンタリー映像。あわせて観ました。誰もアイリーンを、ひいてはアイリーンが殺めた人たちを救うことは出来なかった。けれども見守り、嘆きの声をあげる人々が彼女にはいた事がせめてもの救いではありました。アイリーンという小さな少女が作り出したアイリーンという巨大なモンスター。すべての犯罪は100%肯定されるべきではありません。ただ、環境や背景について深く考えさせられました。実は観てから暫らく時間が経っているので、記憶違いもあるかと思いますが、どうかごかんべんm(,,;)m