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ある年の夏、わたしは会社を辞め、二輪免許を取得した。近所のバイク店のオヤジはわたしにホンダ・ブロスを勧めた。 ―狭角ツィンエンジン。理論上は振動がゼロになるように設計されてる。だからライダーへの負担がすくない。遠乗りにむいてるってわけだ。それに…速いよ、こいつは。俗受けしないバイクだがね そのブロスは店の隅で埃をかぶっていた。わたしはブロスをひきとり、丁寧に磨き上げた。翌朝、日の出前にエンジンに火を入れ、街を出た。目的地は四国、高知県。わたしはそこで農民になるつもりだったのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.06.01 08:27:19
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