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2006.01.07
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カテゴリ:The・国際社会。
国際法のレポートのために、12月からコツコツ読んでた分厚い本を、とうとう今日読み終えた。


その本のタイトルは
「大韓航空007便事件の真相 -自衛隊元将校が解読したレーガンの戦争-」(田中賀朗著)


皆さんはこの事件をご存知でしょうか??


1983年8月31日の13時(日本時間では22時)、アラスカのアンカレッジ空港を離陸し、ソウル金浦(キンポ)空港に向かったはずの大韓航空機007便が、正規の航空路を大幅に北に逸脱し、当時のソ連領空を2時間に渡って侵犯し続けた。

18時25分(日本時間では9月1日6時25分)、とうとうソ連空軍迎撃機が発射したミサイルによって同機は撃墜、日本人乗客を含む乗員・乗客269名が全員死亡した(遺体は未確認)という、キナ臭いニオイがぷんぷんするような事件。


ソ連率いる東陣営とアメリカ率いる西陣営が、互いにバチバチ火花を散らしていた冷戦時の最中に起こった事件とあって、国際世論は
「なぜ正規のコースを大幅逸脱したのか?」
「ソ連は民間機と認識して撃墜したのか?」

など、様々な疑問から大きく沸いた。

しかし、真相解明に必要な大量な資料を持っているハズの日・ソ・米が、資料提供に全く消極的であったため、事件究明に権威を持つはずの公的機関ICAO(国際民間航空機関)も、研究者も、その大部分を推定に頼らざるを得なかった。


未だ真実のハッキリしていないこの怪事件を、30数年間稚内にてソ連の通信傍受業務を指揮してきた(もちろん自衛隊の業務として)田中賀朗氏が、米ソ対立の背景をふまえ、わずかな情報と自らの職務経験を元に事件に鋭くメスを入れていく。



うちは、この事件の存在は前から知ってたけど、単に韓国のジェット機がふらふらソ連領に迷い込んだのを、ソ連がすぐに撃ち落としたという「運悪いな~かわいそーに」的な事件やと思ってた。

けどそんな単純明快なもんなら、ここまで謎がナゾを呼ぶ事件にはなってないはずで(^_^;)



第一、ジェット機には高性能の自動操縦装置が設置されていて、今回の事件のアンカレッジ~ソウル間は、INSという風の変動の影響も自動修正してくれる全自動モードが利用されていた。

「じゃあ、最初のINSコンピューター入力時にミスがあったんじゃないの?だから航空経路がズレて、領空侵犯したんじゃないの?」
とも一瞬考えられる。


ところが、飛行区間にはいくつかの一定のポイント(場所)において、自機の位置通告を管制センターにしなければならない。
それなのに、資料によると、007便はアンカレッジ空港を出発してすでに徐々に経路を北にずれており、出発から狙撃されるまでの数ある通過ポイントを一つも通っていないにも関わらず、最初のポイントから「通過しました」と虚偽の報告を行っていた。


この事が一体何を表しているか。
意図的にソ連領空に向かっていったということである。



この事件は、1970年代後半に始まったソ連の大規模対外進出に対して、「そうはイカンザキ!戦争開戦もやむなし」と、弱腰カーターにかわってレーガンが対ソ連“超”強硬対策を打ち出したことに始まっている。
それにびびったソ連も負けじと、国防に非常に力を入れ始め、軍内は相当ピリピリしていたと見られている。

そして、戦争において情報は命である。しかし、秘密主義ソ連から軍情報を得る事は困難であった。
そんな中でアメリカが頼ったのは、通信傍受である。
そこで、007便を「おとり」としてソ連領内に侵犯させ、通信活動をワザと活発にさせることにより、重要な信号を傍受しそれを解読して、来るべき対ソ戦争に備えようとした。


この「おとり」説は、あくまで著者の推定にとどまっており、資料が少ないがため断定はできないのだが、今のところ有力説となっている。


1983年秋、第38回国連総会で総会議長に就任したイユエカ・パナマ副大統領は、
「大韓航空撃墜事件は、第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件と同じような特徴をもっている」
と、世界にむかって警告を発した。


現実に、本事件は第三次世界大戦の「導火線」となった可能性もあったのである。(本誌の解説より)



そして当時の日本はというと、マスコミは本事件をただただ「ソ連の脅威」「ソ連は悪の大国」などと大体的に報道し、具体的な当時の米ソ情勢などは何も報道しなかった。

日本政府も事件をうやむやにする事によって、真相究明などからは完全に背を向け、アメリカの肩持ちをしたのであった。


だから、日本国民は単にこの事件をソ連が一方的に悪いととらえている人が多いと思うし、むしろ「そんな事件もあったかいな~」という人の方が多いのではないかなーと思います。


何せ、当時のNHKのドキュメンタリーでさえ、真相を突き止めるどころか無理やり事件を“真相は闇の中”という結論につなげる内容であったというのだから。



今も昔も、本当にマスコミとはいい加減なものやな~と改めて実感。



報道は、常に疑いの目を持つべきだと思います。特に、TV番組は完全につくられたもの(がほとんど)ですからね・・・・どこまで信じていいものやら。



この事件に関してや、我が国のマスコミに対してなど、何か意見のある方はどうぞ書き込みをお願いしますm(_ _)m






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Last updated  2006.01.08 04:41:16
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