大きく大きくふくらんだバルーン
許容範囲を超えたボリュームを支えきれず、
ほんの小さな衝撃にも破裂寸前
私の中で芽生えた「想い」は
勝手に細胞分裂して
巨大に成長してしまった
異常に増殖した「想い」は
「もうそう」という名に変わり、
バルーンをすごいスピードで膨張させていく
会ったら傷つき、
はなれたら想いが膨らんでいくのはどうして?
君のほんの心無い態度で
穴の開いてしまったバルーンは
一気に空気を放出
一瞬にして「もうそう」は消失して
大きく伸びきった残骸が空しく佇む
風船の内側と外は全く違う世界だよ
そんなこと 頭では十分分かっている筈なのに
風船の中の都合のよい心地よさに溺れていた私は
現実の殺伐さに戸惑うばかり
すっかり空気の抜けてしまったバルーン
しばらく無残な残骸が横たわっていたけど
君の深く悲しい瞳と短く切ない言葉を思い出すたびに
再びゆっくりと膨らみ始める
頭じゃ分かっているのに
心が止まらない
あの心地よさに帰りたくて。
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