上海に来てから4年間住んだ家をあとにし、私たちは昨年のクリスマス前に古北エリアに引っ越した。
前の家はホテルが経営するカナダからの完全輸入住宅でとても住み心地がよかった。静かで緑の多い環境、専用庭、アメリカサイズのオーブンや洗濯機&乾燥機、ディッシュウォッシャー、カーペットの敷いてある暖かい階段や部屋、セントラルヒーティングはトイレまで暖かくて快適だった。そして何よりも、大きな植物園への専用門は私たちの上海生活をとても豊かにしてくれた。ところが新しい経営者になってからは植物園への専用門は閉鎖され、プールも、シャトルバスもなくなり、ネット環境も最悪になってしまった。何度クレームしてもその場しのぎで取り合ってくれない。古い上海人のスタッフはほとんどが解雇され、残った人たちもどんどん辞めていった。田舎から来た若い人たちを安い賃金で雇い、心配事も増えた。サービスの低下にもかかわらず更新時には50%の家賃の値上げを言ってきたのですぐに引越しを決意した。引越し先を探してから会社を通じて正式に引越す旨を伝えたところホテル側はあわてて「家賃は据え置きでいいから更新してほしい」とお願いしてきた。だが、もうすでに新しいところと契約書を交わす直前だった。とても気に入っていた住まいだったが、決心は変わらなかった。それほど私たちは新しい経営者に失望し、信頼をなくしていた。引っ越すとき古いスタッフの一人が「また戻ってきてください」と言ってくれたが、主人は「経営者が代わったら連絡して」とだけ言い残し私たちは植物園の家をあとにした。不思議なくらい未練はなかった。
古北エリアは外国人が多くとても便利な場所だ。日本食レストランや日系スーパー、娘や私の習い事、教会での集まりなど一週間のうち4,5回は片道30分かけて通っていた。それが引っ越してからはどこへ行くにも5分程度の移動で済んでしまう。引越し前に妊娠が判明し、つわりで苦しんでいた私にとっては本当にありがたい引越しだった。それに、ご飯が作れなくても、買い物に行けなくても、古北では何でもデリバリーしてもらえる。日本食のお弁当の配達は引っ越してから何度かお世話になってしまった。インド料理のデリバリーも病みつきになるくらい安くておいしかったし・・・。これからレストランに行くたびにメニュー集めに走りそう・・・(やばいかも)。
新しい住まいはマンションだけど前に比べてリビングもキッチンもお風呂も広くなり、なかなか快適。何より築一年なのですべてが新しい。大家さんは自分たちで住むつもりだったらしく一年空き家のままだったそうだ。頼んだわけではないが床も全部張り替えてくれたし、ベランダにはガラスをはめ込んで温室みたいにしてくれた。テレビも小さくていいから液晶をお願いしますと言っておいたら、40インチの大きな液晶テレビと日本のBS用アンテナまで買って取り付けていてくれた。大家さんはとってもいい人でかなりラッキーだったと思う。3ヶ月かけて家探しをして、70を越える物件を見て決めた。主人も私も今の住まいにはかなり満足している。庭はないが南向きと西向きにベランダが二つある。4年目を迎えたバラは枝を大きく剪定し鉢に植え替え持ってきた。今年は花を咲かせないかも知れないが、日当たりはまあまあいいので来年に期待しようっと。
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