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2010.03.21
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カテゴリ:アクト
土曜に「第三者の関わる生殖技術にストップ」と題する
第三者の関わる生殖技術について考える会 立ち上げ集会に参加しました。

  • 《日本では匿名の第三者による精子提供(AID)が60年以上前から行われています。 その出自を「秘密」にすることが前提での技術なので 色々な問題があったにせよ、それは表面化しませんでした。 近年、この技術で生まれた人たちが自分たちの抱える深い悩みや技術に対する疑問の声をあげはじめました。 卵子提供や代理懐胎も行われ始めている今、これまでの技術の振り返りもなく 社会的な議論もないまま事実先行で進んで来たAID等第三者の関わる生殖技術について 今あらためて考えるべき時期にきているのではないか。問題置き去りのまま行われる第三者の関わる生殖技術には反対である。》
  •  
    ↑ これが今回の集会の趣旨です。
     
    会ではAIDで生まれた当事者の方2名と研究者2名が発表しました。
    当事者Aさんは 第三者の関わる生殖技術の何が問題なのかを
    生殖技術の種類や歴史を紹介するとともに
    ご自分の感じている問題を話されました。

    センセーショナルな代理出産が現在のメインテーマになりつつあるが
    今一度、第三者の関わる生殖技術の第一歩ともいえる
    AIDの問題点について議論することを望んでおられます。

    当事者Bさんは結婚もし子どももうけたあと、AIDで生まれた子だと
    告知されました。
    自分のルーツの半分を知らないという衝撃だけでなく
    自分の子にも大きな責任があると感じられたそうです。
    子ども自身にも関わってくる問題だから。

    それに関してAさん(独身)は「結婚はわからないけど子どもはもうけない」 とおっしゃっていました。

    AIDに関して社会的認知が進んでいないから
    彼女らが悩んでもカウンセラーですら理解してくれないという
    重い現実があります。
    また友人などに相談しても
    「ご両親に愛されて育ったんだからそれでいいじゃない」と
    議論が終わってしまうし思いを分かってもらえないことも
    しばしばあるそうです。 
     
     
    発表者のお一人は
    「精子 卵子 胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての
    報告書」 の検討委員の一人です。
    彼女が衝撃を受けたのは、その会の焦点が
    「いかに生物学的に安全な細胞を作って不妊カップルに授与するか」
    に置かれていたことです。
    生殖補助医療そのものに関しての議論ではなかったと。

    このままではいけないと、同じように考えたNHKの記者がいて
    国際AIDの会長などにインタビューするTV番組を作りました。
    TVで国際的取り扱いやすでに起こっている問題をとりあげ
    次の委員会で紹介したところ
    多少は「技術ありき」な空気が変化していったということです。

    医療関係者として、こういった技術を使うとき
    もっと生まれた子に対する責任が生じるはずだ、
    生まれたあとのフォローなしに技術を進めることは
    倫理的にもおかしいという意見でした。 
     
     
    次の専門家の方は

    新しい生殖技術は

    ◯からだの部品化 操作 商品化をすすめる
    ◯自己決定権をうばう
    ◯問題の解決策ではなく変わるべきは社会だ

    という生殖技術に反対するフェミニスト達の意見をとりあげました。

    彼女は生殖技術についてどう考えるかというアンケートを(学生に)
    何年もしているが、
    1996年を機に 「本人がのぞめばいいんじゃない」という論調に統一されてきたそうです。 それまでは、多種多様な意見があったのに。

    そして1985年 
    スウェーデンで行われた民間の女たちによる国際会議
    「新しい生殖技術に関する女の緊急会議」の決議文を紹介しました。
    ー中略ー

     女の身体には生命を産み出すという特別な能力が備わっている。
    その女の身体が今、科学技術によって人間を生産するのに必要な
    生体材料として扱われ、切りきざまれている。
    私たち女にとって、自然にとって、そして世界の搾取されている人々にとって
    生殖技術の発達は宣戦布告を意味している。  
    遺伝工学生殖工学は私たちの自分の身体は自分できめる決める権利・
    自己決定権を奪い取ることをも意図している。
     
    。。。。。。。。。。
    わたし自身は障害児保育に関わり「不妊治療によってできた子が 障害児で...」というパターンをよく目にしていたので
    当然不妊治療によってできた子は、自然妊娠による子とくらべ
    障害児発生率が高いのだろうと認識していました。

    今回の会に参加し、まともな数字は得られなかったものの
    (追跡調査がないのでソースになるものがほとんどない)
    「障害発生率は高いだろう」という専門家による見解を
    知ることができてとてもよかったです。

    そういった事実を秘密にして不妊治療にあたる医師の倫理感は
    とうてい信じることはできません。

    AIDは、その技術をもって生命が得られたことを秘密にするので
    それを知ることになるのが、20代や30代になってしまうと。
    いくら両親に愛されて育ったにしても
    やはり土台から崩れていくような気持ちになるし
    親との関係もすごく悪くなるそうです。

    隠さなければならない重大な秘密が家族にあるということは
    専門家の方も言っていましたが
    精神的なダメージが大きく心身症になりやすいとのことでした。
    (身体的 知的な障害がなくても 情緒的に問題がでてくる)
    今回、AIDをはじめ 代理出産に到るまでの技術と
    その問題について知る事が出来、出席してよかったと思います。

    次回は5月8日(土)東大 駒場キャンパス

    だそうです。できたら参加したいと思ってます。





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    最終更新日  2010.03.21 16:58:03
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