カテゴリ:70年英国
パープル・ファミリー特集の第2弾はウォーホースの1作目です。 はいそうです第1期パープルを首になったニック・シンパーが立ち上げたバンドです。 ですが。 へぇ~首になった人のバンドかあ~、と軽んじてはいけないのです。 実はウォーホースって、無駄にすごい人が結構集まってるんですから。 まずシンガーのアシュレイ・ホルト。 彼はパープルのオーディションに落選しています。 がなり気味だが高音部はきれいな声で歌えるとこはロッド・エヴァンスっていうよりイアン・ギランに近い感じしますね。 次にドラマーのマック・プール。 地元バーミンガムでは「ロバート・プラントばりに気性の激しい人物」として有名だったこのお方、なんとジミー・ペイジから「新しいバンド作るんだけどさ、来ない?」と誘われました。 しかしマックは「ケッ!プラントの野郎と一緒のバンドだなんてお断りだね!」とレッド・ツェッペリンの4分の1になれたかもしれないチャンスを棒に振ります。 その後のマックとジョン・ボーナムの知名度の差は言うまでもなく…。 ボンゾとは違ってマックのドラミングはわりかし手数系。 この人がZEPのドラマーだったらどうなってたかなあ…と思う日々もありましたが、バーミンガム人脈を使ってELO周辺をうろついてたり、前任だか後任だかは知らないけどコージー・パウエルがいたこと(のみ)で有名なビッグ・バーサに在籍してたり、はたまたゴングにまで参加してたりします。 しかし私が一番驚いたのは、デビュー直前までリック・ウェイクマンがいたってこと。 「練習はウェイクマン宅、しかもウェイクマンのおかんがおやつを用意」 「なのに連日遅刻しまくるウェイクマン」 「こんないいかげんな奴とは仕事したくない(怒)、と作詩担当者が里帰り」 「ついにバンドから追い出されてしまったウェイクマン、泣いて謝っても手紙で謝っても許してもらえず」 おもしろすぎる。アホすぎる。 けれど友情までは決裂しなかったようで、ウェイクマンのソロ作にアシュレイの名前を見つけることができます。 数年前のウェイクマンウェブ日記でも、アシュレイの誕生日会をやっている様子(年齢をビール瓶の本数で表していた気がする…)が書かれていたっけ。 音楽以外の話が長くなっちゃったけど、ぶっちゃけると私、本家パープルよりこちらのウォーホースのがずっと好きなのですよ。 正統派ブリティッシュ・ハードでして、ひとつひとつの音は単純明快なようだけどさりげなくプログレスしていたり、元気な中にホロリ感が見え隠れしていたり。 3の“バーニング”なんてすんごいかっこいいんだから! 冗談でなく、買った当時は英国ロック史きっての名曲だ!間違いない!と興奮してましたよ… 惚れてたね、かなり本気で。 一目惚れっつーか一聴惚れしたね。 ドラマチックにハードロッキンしていた3が終わるとイージービーツのカバー登場。 サビのコーラスと歌ってんのか遊んでんのかわめいてんのかあやふやな歌いっぷりがかわゆいのだ。 このバンドがメジャーになれない理由はあれだな。 ボーカルとベースを解雇して第2次政権発足させてから大ブレイクしたパープルが最大の癌だ。 どこかに「ちょっと待て!パープルファミリーってことで何の期待もせず買ってみたけど…滅茶苦茶かっこいいじゃないかよ!」 と驚いてしまった人はいないのかなあ? レーベルはヴァーティゴでジャケはキーフとなったら、なおさら日陰者にされるのは納得いかないよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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