カテゴリ:70年英国
ギターレスの4人組アードヴァーク、唯一の作品。 ゆがみまくりの凶暴極まりないハモンドが炸裂する冒頭の“コッパー・サンセット”で思わず跳ね起きました。 このバンドを語る時につとに謳われがちなのが“ジョン・ロードよりもヘヴィ”というもの。 目立つことは目立つけど、ディープ・パープルにおける御大のようにこのスティーヴ・ミリナーなる鍵盤奏者(その昔ブラック・キャット・ボーンズにゲスト参加していた)が作曲面の中心ということはなく、メインライターはシンガーのデイヴィッド・スキリン。 ともかく1曲目のインパクトが圧倒的なんだけど、2曲目以降も同じテンションで続くと思ってはいけません。 他の曲はそれほどまでには暴れておらず、ビートルズ系統とも言えそうなポップンロックにも近いです。 6なんかは妙にはしゃいだビート・ポップ調だしね。 スタン・アルドゥスが書いた7は神秘的でいいなあ。 リコーダーの響きがなんともジェントルです。 しかし楽器の使い方やちょっとひねた感じもある曲構成、何よりバンドの佇まいがどうしようもなくB級ブリティッシュ。 シンガーの歌唱力はちょっと頼りないけれど、作曲センスはあるので均衡は保てています。 発売元がもっとメジャーなレーベルで(デラム傘下のノヴァからのリリース)、歌唱力がもうちょっとあったならマニア御用達には収まっていなかったのかも。 どっちにしてもオルガン・ロックと聞いて目の色を変えるあなたは聴いておきなさいってこったね。 あ、薄汚いオルガン以外にも綺麗なピアノやチェレステ、マリンバも活躍してますので。 なおドラマーのフランク・クラークはこの時17歳という未確認情報あり。 ちなみに。 カテドラルのメンバー(中でもとくにリー・ドリアンとギャズ・ジェニングス)がこのバンドを気に入っていることはよく知られているところ。 そんな彼ら、サンドローズの“トゥ・テイク・ヒム・アウェイ”を気持ちが悪くなるほどにゆがませ、かつ曲名に“コッパー・サンセット”を拝借するという粋なことをしてくれてます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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