カテゴリ:70年英国
れ。 なんか計算が合わないよ。 ガース・ワット・ロイがファジー・ダックに加入したのはアルバム発売直前=71年、その後グレーテスト・ショウ・オン・アースを結成したとあるけど、そのGSOEが残した2枚のアルバムはどっちも70年発表…。 GSOE解散後にファジー・ダックに加入したというのが正解なのかしらね! これは今から6年ほど前に買ったもの。 1作目の「ホライズンズ」と2作目の「ザ・ゴーイングス・イージー」が1枚のCDに無理矢理収まっています。 収録時間は80分近く、そんなに長くなるんなら普通に分けて出した方がいいんじゃないかとも思うけど、それは再発レーベルがすでに決めてしまったことだから文句は言わないでおきます。 2イン1ってさー、ジャケが手抜きされてみすぼらしくなることが多いんだよね。 とくにこれみたく名うてのデザイナーが担当したジャケはちゃんとしてほしいんだけどなあ。 ラッパ専門が2人いて、メインで歌っているコリン・ホートン・ジェニングスもフルートを吹く。 専任ドラマーはいるけどその他に打楽器をやる人が3人。 「vo」のクレジットがトップにある人が4人。 そんなユニークな7人組。 出したアルバムは2枚だけ、プロデュースは8までがジョン・ピール、9以降がジョナサン・キングとなってます。 1作目は雑なアイラインを引いた目の瞳の中にメンバーが写っていて、一番手前の彼氏(誰だか不明)の目の下がクマで真っ黒けなんですよ。 ところがどっこい、出てきたサウンドはまったく不気味なものじゃない。 2作目は印象ががらっと変わって列車の通路?にメンバーが座り込みガンを飛ばすという構図。 全体を茶系でまとめていて、いかにもザッツ・英国!ですね。 7人もいるけど大勢で元気にイエーイ!ではないし、ラッパはいるけど純然たるジャズ・ロックでもない。 むしろオルガンやハープシコードの繊細な音色が印象に残るし、パーカッションだって適材適所。 歌声は誰に似てるかと聞かれたら、私はピーガブと答えます。 声質が近いし湿り気のある雰囲気もよく似てるよ。 楽曲は基本的にはストレートで非常に親しみやすいジャジーでプログレスなロックなんだけど、メロディラインがどうしても憂愁カラーに染まってしまってます。 たとえラッパが元気にパンパカパーン!と響いてきても決して体育会系にはなりません。 翳りと同時に少々ダウナーも含まれていて、戯言レビューの方で紹介した方がいいのではないかと思えるアシッド・フォークな曲も見受けられますねえ。 あ、でもギターは薄汚い音色をたくさん繰り出しているなあ。 展開しながら盛り上がる7は秀逸! 本作のはエディット・バージョンだけど8分の長尺。 てことは、本当はもっともっと長かったんかな。 フルレングスで聴いてみたいや。 2作目(9以降)になるともうちょい覇気が出てきて、曲調が明るめになってきています。 これぞブラス・ロックそのものてな曲もいっぱい入ってるし、1作目よりも健全で陽気な雰囲気になってますね。 憂愁さが後退しているのは個人的にはマイナスポイントだけれども。 ついでにコリンのピーガブ度も低下、コリン以外の誰かさんがリードで歌ってる曲があるんだけど、カエル系統の面白声だわ。 聴きながら思いました。 1作目と2作目のジャケをあわせればGSOEのサウンドになるんじゃないだろうか!? とにかくね、これは聴いたそばから「予想以上に良い!」と驚いたバンドです。 2枚しか残してないのは非常に悲しむべきことですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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