●●●NY生活カウントダウン●●●
突然ですが、NY生活も残すところあと二週間となりました。こんなに長くここに住むことになろうとは、思ってもみないことで、時の流れに身を任せていたら、こんなことに…。この間、夕食の買い物からの帰り道、てくてくと歩いていたら、Tシャツの着崩し方がちょっとパンク風のブロンドの姉ちゃんに道を聞かれました。姉ちゃん「すみません、このあたりに図書館はありませんか?」私「この道まっすぐに行ったところですよ。」姉「よかったら案内してくれませんか?」私「帰り道なので、いいですよ。」姉「私、今日、ギリシャから来たんですよ。」私「ええっ、すごい。」姉「ルームメイト探してるんだけど、あなた何人?」私「私は日本人。でも、だんなも子供もいるから。 今この辺りの家賃ものすごく高いからねえ。」姉「うん。だいたいシェアで$700ぐらいのところがいいの。 私、ギリシャでクラッシック・ギターを10年教えてたのよ。」外見はパンクと見せかけ、カントリーかいな?私「すごいね。」姉「子供はいくつ?」私「8歳。」姉「音楽を始めるのにいい時期ね。どお?」私「私、もうすぐ引越しするんで…。 ところで、あなたいくつ?」姉「28歳。」若!と、ここまで話したところで図書館に着いた。これからコンピューターでルームメイトとアパートを探すらしい。「グッド・ラック!」といって別れた。私にとって初対面の人とこれだけ話すのもめずらしい。というのも、その姉ちゃんのパワーに圧倒されたのだ。エネルギーに満ち溢れていて、きらきら輝いていた。同時に、自分が始めてNYに来た時のことを思い出していたのだ。若さゆえに無鉄砲で怖いもの知らず。なにも躊躇することもなくわが道を行く。そんな時があったのだ。確かに。人生には神さまが与えてくれるチャンスが何回かあります。自分が強くのぞんで作り出す場合もあるけど、空から降ってくる場合もあります。それを選ぶかどうかは自分しだいです。一端それをつかんだら信じて進むしかありません。でも、どこに行っても、いつも自分に誠実でいたい、いつも家族に誠実でいたい、いつも友達に誠実でいたい。NY生活はいろいろなことを私に与えてくれました。ちょうど12年前、東京ディズニー・ランドのアーケードにあった占いの館。マウンテングラニーの予言「旅行することから利益は生まれる」の言葉はあながちうそではなかった。あこがれて来たこの地で、多くの人に出会って、楽しい思い出を共有できたことに感謝します。私は昔はあまり人に誘われることがなかったのですが、ここでは多くの人が誘ってくれました。それは本当に幸せでした。いい友とも出会いました。心残りはたくさんあるのですが、そろそろ旅立ちのときとなったようです。最後まで心に刻むように目に焼き付けておこうと思います。