●●●15年ぶり日本の夏●●●
1996年、6年間勤めた会社をすっぱり辞め、留学を決意した8月。東京タワーが真正面にそびえたつマンションの10階にあるデザイナーさんに原稿を預けた午前1時。上がりを待つ間、青山ブックセンターで時間をつぶすのが毎週火曜日の日課だった。ずらりと並んだ洋書の数々・・・ファッション、インテリア・・・ページが折れないように気をつけながら新品のページをめくるのが楽しみだった。あるとき、ふと違うコーナーに行き留学雑誌を手にしたのが始まりだった。目的地は最初からアメリカ・ニューヨーク。残った有給を消化しつつ、10年暮らしたアパートを引き払うべく荷造りを始めた。一年したら戻るつもりで、大きな家具や電化製品は、港区にある倉庫に荷物は一年の前払い契約で全部預けた。「来週からNYに行って来る」親には事後承諾だった。気がつけば、それから日本の夏は経験していない。今週末、日本に帰る。さて・・・どんな風景が見えるだろう?