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カテゴリ:不幸の予防方法
2007年3月16日発行号公開
ブルーシャ西村のエッセイ「強引ぐ マイ ウェイ」 vol.93 07/03/16(金) 発行 皆様、こんにちは。ニューヨークでは、夏時間に変わり、日本との時差が1時間縮まりました。でも、まだまだ肌寒いです。春はすぐそこですが、待ち遠しいものです。 さて、前回、「カルソッツ」について初めてエッセイに書きましたが、あのあとネットで検索してみたら、今ではたくさんの方が日記やブログに書いておられるようですね。そういえば、どのガイドブックにもカルソッツについて書いてなかったのは、私がスペインに留学したばかりの頃のことですから、もう10年少し前になります。そうか、その頃は、今よりもうんと情報が少ない時代だったのですね。 インターネットが発達してきてから、10年間で、あっという間に世界中の情報量が増えたのですね。便利な世の中です。 こんなに情報化社会が進んだら、今まで一部の人達にしか行き渡らなかった情報を、例えば10代でも見つけてつかむことが可能になると思います。そうすると、有益な情報を探し出して選んでつかんでいく人と、全くそうしない人との差が広がっていってしまうでしょう。 その先を想像すると、もっともっと今まで以上に、格差が広がっていってしまうでしょう。格差社会はますます広がって、加速されていくでしょうね。 でも、これは、殻を破る人にとったら、チャンス到来の世の中でもあるのです。勝ち組と負け組みの差が広まっていくでしょう。 今までは、歴史の長いどこの国でも、一部分の特権階級が一般市民を飼いならして黙々と働かせるために、貴重な情報を握っていました。 日本も実はそういうところがあって、 「民に知らしむべからず、寄らしむべし」 といって、情報を民に与えずに、飼いならして懐柔しておくという政策(?)が、なんと2000年以上も続いてきたのです。 この歴史の長さのお陰で、この飼いならされてきた人々の意識の問題は根が深いもので、どうにもならない側面があります。 こういうことについては、大学(経済学部)で詳しく習ってショックを受けて、人生観が180度変わったものでした。ほんと、ショッキングなこと、世の中の仕組みや経済の歴史を学んで、ゾーッとして愕然としました。 日本だけではなく、例えば、ブラジルやスペインなどもそうですが、民の意識と注意を現実の政治や経済からそらすために、また貴重な情報を知るチャンスを与えないために、特権階級は何をしてきたと思いますか?もし気がついたら飼いならしておくことができなくなるのを恐れているからなのですが。 それは、例えば1つには、定期的に大々的に「祭り」をすることなのです。目そらし作戦ですね。祭りでワーッと民が発散すると、何も考えずにいさせることができ、目をそらすことができるからだそうです。 日頃の不満から、自分の置かれた状況を改善するために民が何かを必死で調べ始めて、貴重な情報をつかんでいったら、もし民が情報をたくさん手に入れて賢くなってしまったら、そしてもし民が飼いならされてきた状況から抜け出そうとし始めたら、一番困るのは特権階級なのです。 一揆もそうなのです。実際には祭りと変わらず。農民は、理屈や情報が分かって一揆していたわけではなかったのです。ただ、日頃のうっぷんを発散したかった、何か分からないけどひもじい状況に対して反抗したかっただけなのです。もしも農民がひもじくなくて、毎日そこそこ問題なく生活していけていれば、一揆は起こらなかったようです。 これについても詳しく大学で習って、目からうろこが落ちたことを覚えています。経済学は奥が深いのです。生きるための知恵をつけることができるので、趣味でいいので、経済学に一歩踏み入れることはおすすめです。 そういえば、何もこのような経済の仕組みを分かっていない10代の人が、何か分からずに社会や大人に対して反抗してみたりするパンクも、この一揆にそっくりだと気がつきました。イギリスのパンクも、彼らは理由が分からずにただうっぷんを晴らそうとしているだけの、飼いならされてきた労働者階級の一揆みたいなものだったのでしょうね。 あと、何か理由や理屈は全く分からずに、反権力をふりかざしていて権力嫌いな人も、この農民一揆やイギリスのパンクとそっくりで、同一平面上にあるものです。良く分かっていないのです。それから抜けるには、知識と情報を手に入れなくてはなりません。 この点では、農民一揆とパンクと反権力主義は、根っこに同じ問題を抱えています。家系の環境の遺伝です。 この「民」というのは、農民をほとんど指します。特権階級が農民を飼いならして、情報を握って与えず、盲目に目の前にある自分の状況を信じさせて黙々と働かせるために、そうしてきたのです。そして、自分たちだけが美味しい目的を握り、得をしてきたのでしょう。 この問題は根深くて、まだまだ現代の日本でもその影響が続いています。 どういう形で続いているかというと、DNAだけではない、環境の遺伝です。 各家系、各家庭で、家訓のようなものや、優先順位のつけ方などの、生きる姿勢の意識が、目に見えない形で何百年にも渡って脈々と受け継がれてきています。こういう家系の意識は、無意識下で知らないうちに影響を受けていて、環境が遺伝してきているという状況なのです。 特に、何百年も農民だった人は、余程、経済を学ぶなり何なりして、自分の意識の殻を破って、「民に知らしむべからず、寄らしむべし」という飼いならされてきた環境の遺伝を打破して自分の代でそれを抜けなければ、情報を選んでつかむ感覚を身に付けるのは難しいものです。 何百年にも渡って代々、骨身にしみついているのですから、条件反射的に情報操作に飼いならされていってしまっているものなのです。 つくられたマスコミの情報を鵜呑みにして、気にして振り回されたり、流行を追ってしまうことなどもその影響です。 なんとなく大多数の意見に従って、大多数の真似をして、なんとなく生きているほとんどの人は、飼いならされてきた側の先祖を持つ可能性が非常に高いのです。 ・・・と、ここまで、経済学の中身(真実)を書いた時点で、何か理由は分からないがムカついてブチ切れそうになった方は、要注意です。それと同時に、今、自分の代で脱却するチャンスでもあります。 この上記のことは、経済学部では詳しく教えていることなのですが、この現実を直視すると、かなりショッキングなのは分かります。 特に、ほとんどの家系が何百年にも渡って飼いならされてきた側なので、そういう事実を知ったときに、ムカついてしまう人もいるということなのです。そこで止まるか、もっと調べて先に進むかは、その人次第なのです。 何かを知ったときに、条件反射的にムカついてしまい、避ける傾向があるのは、ずっと何百年も農民として飼いならされてきた先祖から受け継いだ環境の遺伝の可能性が大なのです。 ムカつくということは、劣等感の裏返しです。劣等感が全く無ければ、ムカついたり嫉妬したりひがんだりできないからです。 自分たちが置かれてきた状況の真実を知るということは、特権階級の家系の歴史を目の当たりにするということでもありショッキングで、同時に何百年も飼いならされ続けてきた先祖の姿も浮き彫りになり、自分の中に流れる血と家系の環境の遺伝に気がつくということなのです。 インターネットと情報化社会の発達は、10代でも40代が気付いていない貴重な情報をつかむことができる、気をつければ誰でもチャンスを選んでつかむことが出来る、とても良い時代なのだと思います。 これからは、情報を選んでつかみ出すことが出来る人が、よりチャンスをつかむことができて幸せになることが出来る時代です。情報と選択肢が多いほうが、より有利な時代到来です。 家系に無意識下で受け継がれてきてしまった意識を変えることは、並大抵のことではないですが、クールになって経済学を覗いてみればいいと思います。 では、また来週! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年12月31日 20時53分58秒
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