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カテゴリ:ジュエリー
前回の書き込みの続きです☆
このお客様は、誕生石のインペリアル・トパーズ(シェリー酒色)のジュエリーがご希望でしたので、宝石ルース探しの旅からスタートしました☆ せっかくなので、非加熱未処理のインペリアル・トパーズを、宝石商の何箇所かで探してみましたが、なかなか思っているようなものがありませんでした。 古い宝石商の家系のところなら良い宝石ルースがあるかな~?と思い、ニューヨークの、3代目の宝石商のところで探してみたら、ありました! 古い家系の、何代も続いている宝石商のところは、お祖父様とか何代も前から眠っている宝石ルースが金庫にどっさりしまわれているからです。 それらの古い宝石ルースは、今の時代となっては貴重な上等なものがけっこうあります。 宝石の知識があって目利きならば、掘り出し物を探して見つけることができます。 例えば、大昔の宝石ルースなら、宝石を加熱したり照射処理したり他にも様々な方法で手を加えてより美しく変化させる化学技術が発達していなかった時代のものは、当然のように非加熱未処理のままなのですよ。 そういう、何も手を加えていない、非加熱未処理のままの、原石をただカットしただけの宝石ルースは、そのままで美しい色で輝いているものだけが何代も残ってきているのです。 お宝は、古い家系のところで見つけることができます。 今回のインペリアル・トパーズは、こういった経緯で、何ヶ月間か探してみて、知り合いだった古い家系の宝石商のところに何十年間も眠っていた、非加熱未処理のものを手に入れることが出来たのです。 そういう貴重な宝石ルースは、急には売ってもらえないものなのです。宝石商のほうも、人を観て判断して、売るかどうか、金庫から出して見せるかどうか、そのまましまっておいて寝かしておこうかとか、いろいろ考えて、「このお客が良くない人」と判断した場合は売らないそうなのです。 何十年も寝かせてあった、古い上質な在庫を売ってもらえてほっとしています。良かったです。 この方のところにも質の良い宝石があるので、時々、私のジュエリー作品用に入手し続けています。 3代目といっても、その方ご自身がすでに70代(!)で現役で、宝石商のお仕事は生きがいみたいです。いつまでもお元気ですごいですね~! ニューヨークのマンハッタン生まれマンハッタン育ちで、超都会っ子です。 ご子息は全員、別の仕事に就いているそうで、現在は宝石商の跡取りがいないとのこと、「子供たちの、私の育て方が間違ってたのかもしれないな~。私は何も口出ししなかったからねえ。自主性に任せたから。ハハハ。」とおっっしゃっています。 「ご子息が全員、自分の意思で自分でやりたいことを選択して、進路を決めて進んでいらっしゃるのだから、自立心をつけさせて子育ては成功したと言えると思いますヨ~。 でも、3代も続いた宝石商を閉じるのは、もったいないですよね。 あなたが引退された後は、誰か継ぐ方はいらっしゃいませんか?」 ・・・などとお話したら、 「さあ~、どうなるかな~。 誰かが継ぐかもしれないね~。閉じるかもしれないね~。」 とか、おっしゃっていました。 「ええ~! 私がもしジュエリーデザイナーとジュエラーでなかったら、あなたの跡取りになるのに~!」と私も話をしたものでした。 宝石商は宝石の勉強をずっとしなければならないですし、専門知識がたくさん必要で難しいため、生易しい世界ではないので、宝石業界に入るにはそれなりに努力を続ける覚悟が必要なのです。 そのため、宝石商は、宝石のことが大好きな人でなければ、毎日の事なので仕事にするには苦痛に思うことでしょう。 それに、大物の宝石は銀行の金庫に預けておいたりとか、保管に気を使うでしょうしね。 特に、仕入れ時にはかなり危険な面もありますからね。危険なので、女性には難しい世界の仕事が宝石商です。 ニューヨークの宝石商でも、宝石を仕入れに僻地の鉱山へ直接行った方が、宝石ルースを仕入れた帰り道にそこが雇ったギャング?殺し屋?に狙われて後をつけられて、命を落として、仕入れた宝石ごと全部奪われた事件の話も聞いたことがありますから。10年前くらいだったかな? マダガスカルに仕入れに行ったニューヨークの宝石商が、そういった経緯で帰りに命を落として、多額な宝石代金と宝石ルース全部を奪われたニュースを聞きましたから。 周りの宝石業界の人々に、そういうことって他にもたまにあるの?と聞くと、 「よくあるよ。コロンビアとかブラジルとか。あちこちで。危ない仕事だよ。だからむやみに自分で直接現地の鉱山主のところに仕入れに行くもんじゃないよ。 女性は行ってはいけないよ! 宝石の値段にはね、そういった命の危険代も入っているんだよ。 だから宝石は高いんだよ!当たり前さ、宝石商の命がかかってるんだから。 宝石をちょっとでも安く仕入れたいからって現地の高山へ買いに行くのは、あまりにも無謀で危険だから、行かないほうがいいよ。 危ない国に行く時には、現地の役人に賄賂をつかまして案内してもらったり、色々とお金を使って手を回しておかないとヤラレちゃうからね。 ジュエリー業界は分業制でね、それぞれ専門があって、宝石は値段が高くついても宝石商のところで仕入れるのが一番確実で安全だよ。」と言っていたものです。 「ええ~!賄賂(お金)を払って入り込まないと、危険なのですか?」と聞くと、 「そうだよ~!未開の危ない宝石地帯には、要所要所で賄賂(お金)をたくさんばらまいておかないと危ないよ。」と言って、色々とその方法を私に教えてくださった宝石商の方々もいました。 これでは、素人には出来ない世界ですよね。 どうやって危ない宝石地帯へ入ったらいいのかチンプンカンプンですし、入っても無事に空港まで行って帰りつけるのか保障は無いですし、どの世界も、世界水準のレベルにまで極めるためには、高い専門性が必要なのですよね。 そういうわけで、知識でもセキュリティーの面でも特別な配慮が必要なので、宝石商は代々、家系でファミリービジネスで営んでいるところが多いです。1代目で新しいところは、代々続く世界中の宝石コネクションが無いので、新規参入も難しそうな世界です。どこの国の役人達を知っているとか、どの鉱山主と家族ぐるみで知り合いとか、代々知っているとか、コネが無いとなかなか、安全には仕入れに行けないですよね。 新しく入り込もうとしても、何代も続いている古い宝石商のところにはかなわないですものね。 ニューヨークでは、ユダヤ系の人々はダイヤモンド商が多いですし、他の色石、宝石商達は、いろんな人種や国の家系があります。 ・・・ニューヨークで宝石を使ってジュエリーを製作するようになってもう14年位経ちますが、その間にそういったお話を数々、聞いてきて、いろんなことを勉強になりました。 「宝石の値段には、命の危険代も入っているんだよ」・・・というお言葉には、本当に衝撃を受けました。 美しいものの周りには、危険も渦巻いているのですね。 ・・・私がもしジュエリーデザイナーではなくて、例えばGIA(宝石鑑定士)の学校に行ってその資格を取得していたなら宝石商になってこの方の跡取りを志願するけどな~、などと空想してみましたが。 でも、あいにく今生の私の仕事はジュエリーデザイナー兼ジュエリー職人なので、宝石商だけをすることは無いですから、跡取り志願するには人生の時間が足りませんね~。せっかく貴重な人脈(コネ)はあるのに。 そういえば、私の周りの日本人の友人でGIA宝石鑑定士の資格をニューヨークで取得した人々は数名いますが、彼らは日本の実家が「宝石商」「ジュエリー業」の家系の人達ばかりでした! そして日本へ帰ってから家業を手伝っていらっしゃいますね。 私の身近では、家業が宝石商ではない人はむやみにはGIA資格を取得する人が誰もいないはずだなあ~!と納得してしまいました。。。 もし家業が宝石と関係ないのに、むやみに何も考えずにGIA資格を取ったとしても、宝石業界に入って活躍するまでには下積み経験が必要だし、その中で働くうちに何年間もかかってたくさんの宝石商と交流して知り合っていかないといけないし、貴重な人脈を作ることができて初めて「跡取り募集中の宝石商の家系」と出会えるのですものね。 道のりは簡単ではないですね。 自分だけで切り開くには、人脈を作るのに何年もかかりますね~。いきなりは無理ですね。 家業が宝石商ではないのにGIA資格を取ったり専門知識を身につけた人が、宝石業界で人脈を作って入り込んで活躍するためには、「魂」「性格」「人柄」「人間関係」が一番大事で、次に「その人の配偶者も家族も素晴らしい人格者」であることが大事(なぜなら配偶者はその人の魂の鏡で同じレベルだからNYでは同一と見られる)で、もはやこれしか無いと思いました! NYではいろんな人種がいるので、アメリカ人や外国人達は、その人となりを見て「良い人かどうか」を判断する時に、「人柄」重視で2秒で決め付けられて門戸を開いてくれるかどうか相手に選ばれているのです。その2秒間で「この人はダメだ」と何かの基準で決め付けられた場合には、特に宝石業界ではGIA資格を持っていても門前払いで相手にしてもらえないのですよ。GIAホルダーでも宝石商として働くことは、よほど性格が良いとか幸運が重なる必要があるので、非常に狭き門みたいです。 次に家族や配偶者が素晴らしい人格者で良い人だったら、「こういうご家族なのだったらこの人も素晴らしい、家族はその人の魂の鏡だから同一だからこの人も同じ、見直した!さすがだ!」ということで、ますます気に入られてその人脈にファミリーの一員として入れていただけます。 「あなたの周りにはいっぱい良い男性がいるでしょう?よかったら私の娘(大学生)にあなたのお友達の男性を誰か紹介してあげてくださいよ。誰か1人、良い人はいないかしら?」と宝石商達から頼まれること、しかも何回も何回もいつも頼まれることが多いのですよ。←(私は身の上話を一切何も話していないというのに、彼らは何かの臭覚で、私の友人には良い男性がたくさんいるに違いないと決め付けてるようなのです。どういう臭覚で、どんな審美眼か分かりませんが、私は宝石商達からこういうことまで言われる日々を送っています。。。彼等は私の魂の波動だけで判断しているから、その周りの友人達も良い人に囲まれているに違いないと思っているようです。) 日本の中で日本人同士でのつきあいならそこまで厳しく審美されることはなくて、片目をつぶっていただけますが。 でもニューヨークはいろんな人種がいすぎて危ない面もあるし、いくらでもビジネスの相手はいるので、最後は人柄重視で魂で判別されて人脈に入れてもらえるかどうか決め付けられるという、本当に厳しい状況です。ここ(ニューヨークの宝石業界)では、大目に見てくれることは全く無いですね。 私も、14年間、ニューヨークの宝石業界でいろいろ生きてきて、いろんな人脈ができて人々と知り合って渡り歩いてきて、「魂磨き」の面でも勉強になりました。ニューヨークの宝石業界で長い間生き抜くためには、「魂磨き」「魂の波動」が一番大事なことでした。 家族のように親しい宝石商の人達も何人かできましたが、彼等は、 「あなたは良い人だと判断したから、とっておきの最高の良い宝石ルースを売りますが、私はいつも”この人はロクデナシだ”と判断したらなるべく売らないし、高く売ってどこかへ早く去ってもらって二度と来てもらわないようにしているよ。 宝石業界は危ないのですよ。 「人柄重視」「ご家族や配偶者が良い人かどうか」ということで判断していかないと危険なのですよ。 人柄とか生き様に現われているから、ロクデナシには”関わったらロクなことは無い”のですよ。ロクデナシには最初から売らないようにしています。 (魂の波動が汚れている)悪い人には、私は売らないですよ。売らなくていいんです! その反対に、あなたみたいな良い人にはずっと買いに来てもらいたいから優遇してますよ。見ただけで、あなたは良い人だと分かりますから!私の長年の経験で。あなたは私のファミリーですよ! 私は人を見て、宝石ルースを見せたり”無い”と言って見せなかったり、値段を高くしたり値引きしてみたり、人柄を見て態度を変えています。それで良いのです。」 ・・・と、このようにおっしゃる宝石商ばかりです。 >「ロクデナシには最初から売らないようにしています。 売らなくていいんです!」 ・・・だなんて、私も言ってみた~い!と思いました。 カッコいいと思って、驚きましたよ。 ニューヨークの宝石商にとっては命が危ない仕事なので、お客様は神様ばかりではないのですよね。 「売らなくていいんです!」だなんて、言ってみたい~~~!・・・含蓄があるお言葉だと思いました。 宝石商は危険な仕事だから、お客さんを選んでいるのですよ。命がかかっている仕事だからなおさらですね。 きっと、彼等の数々の経験で、「あの人に売らなければよかった」「あの人に売ったのが間違いだった」「あの人に最初から関わらなければこんなことにならなかったのに」「あの人には二度と売らないぞ」とか、後悔して学んだことがいろいろあったのでしょうね。 それで、「ロクデナシには最初から売らないようにしている」というふうに工夫していったのでしょう。 宝石を仕入れる旅にも魂磨きが役に立っていて、思わぬところで私のお客様のために得をしてきてよかったです。私の人生が全て生かされる仕事が、ジュエリー&宝石です。 今までの人生全ては、私のお客様のために生かされているので、本当によかったと思います。 私の魂の波動、魂磨きの努力の結果、様々な目に見えないお陰様で、元ハリーウィンストンのトップのジュエリー職人だった方(80年代に1点15億円の高価なジュエリーばかり作っていた)に一子相伝で師匠になってもらえたり、友人が4代目の真珠業者だったり、数々の宝石商にファミリーとして優遇してもらったり、一流のストーンセッターのことも、他にもいろいろな宝石業界の人脈ができたことも、ジュエリーデザイナーとして私の財産であり、お客様にとっても喜んでいただける財産となっています。 世界を股にかけて活躍するためには、子供の頃から続く「魂磨き」が一番大事なことだったな~と、今の時点で振り返ってみてつくづく思います。 宝石選びの世界も、配偶者(彼氏)選びや友達選びの世界と全く同じみたいですね。 お互いに選び、選ばれるものなのです。 波動が同じもの同士が引き合っているということなのです。 宝石も、人間みたいなものなのですね。 宝石の世界は、深いです。宝石は人生と同じです。 宝石によって、私の学びと魂磨きの修行はまだまだ、一生の間ずっと続きます。。。 厳しい世界で働いていること、魂を鍛えられるので、本当にありがたく思います。 全てのお客様には、ご贔屓くださいまして、ありがとうございます。 感謝いたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月25日 20時22分58秒
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